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【安保改定の真実(7)】先鋭化する社会党「米帝は日中の敵!」 5・19強行採決で事態一転…牧歌的デモじわり過激化 そして犠牲者が

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【安保改定の真実(7)】
先鋭化する社会党「米帝は日中の敵!」 5・19強行採決で事態一転…牧歌的デモじわり過激化 そして犠牲者が

参加者たちが両手をつなぎ路上を埋め尽くすフレンチデモ。女性たちはおしゃれに着飾りまるでお祭りのようだった=昭和35年5月 有楽町・日劇前

 清瀬は岸らと協議の上で強行策に出た。いったん散会を表明し、20日午前0時5分に再び開会。そこで新条約承認案を緊急上程し、強行採決した。

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 「アンポ反対」「国会解散」「アイク訪日阻止」「岸倒せ」-。5月19日を境に安保闘争は、岸への個人攻撃にすり替わり、国会周辺のデモは雪だるま式に膨れあがった。

 それでも当時のデモは牧歌的だった。男はワイシャツ姿や学生服、女はスカート姿も多かった。もっとも過激とされた全学連でさえ基本的には非暴力戦術をとり、70年安保闘争のようにヘルメットにゲバ棒で武装する人はいなかった。

 流行したのは、両手をつないで並んで進む「フランスデモ」。仕事帰りのデート代わりにデモに参加するカップルも多く、デモの合間を縫うようにアイスクリーム屋が「アンポ反対アイス」を売り歩いた。

 岸もしばらくは余裕綽々(しゃくしゃく)だった。東京・渋谷の岸邸は連日デモ隊に囲まれたが、記者団に「声なき声に耳を傾ける。今日も後楽園球場は満員だったそうじゃないか」と語り、自宅では普段通りにくつろいだ。5歳だった孫の安倍晋三(第90、96、97代首相)が「アンポ反対!」とまねたときも目を細めた。

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 6月19日の自然承認。期限を切ったことは、安保闘争に「目標」を与える結果となり、6月に入るとデモはさらに肥大化した。

 「至急来てくれないか」

 岸から電話で呼び出された郵政相の植竹春彦は、闇夜に紛れて首相官邸に通じる裏口をくぐった。

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