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【安保改定の真実(2)】動き出した岸信介 「経済など官僚にもできる。首相ならば…」 ダレスに受けた屈辱バネに

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【安保改定の真実(2)】
動き出した岸信介 「経済など官僚にもできる。首相ならば…」 ダレスに受けた屈辱バネに

人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げを前に最後の仕上げをする旧ソ連の技術者(NASA提供)

 「日本は不思議の国のアリスの夢の世界のような精神構造に置かれている」

 ただ、昭和32(1957)年2月に第56代首相に就任した岸信介は違った。

 岸は戦前に革新官僚として統制経済を牽引(けんいん)し、東條英機内閣で商工相を務めたことから、戦後はA級戦犯として巣鴨拘置所に収監され、不起訴となった経歴を持つ。国際情勢を見誤れば、国の行く末が危ぶまれることは骨身に染みていたのだろう。

 それでも岸が就任直後に掲げた公約は、汚職・貧乏・暴力という「三悪」の追放だった。安全保障に関しては「対米関係の強化」「日米関係の合理化」という言葉しか使っていない。

 その裏で、岸は就任当初から旧日米安全保障条約改定に狙いを定めていた。

 昭和26(1951)年9月のサンフランシスコ講和条約と同時に締結した旧安保条約は、在日米軍に日本の防衛義務がないばかりか、条約期限も事前協議制度もなかった。しかも日本国内の内乱に米軍が出動できる条項まであった。岸はかねて「これでは米軍が日本全土を占領しているような状態だ」と憂慮していた。

 女婿で毎日新聞記者から秘書官となった安倍晋太郎(後の外相、現首相・安倍晋三の父)が「得意の経済で勝負した方がよいのではないですか」と進言すると、岸は鼻で笑った。

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