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【けいざい独談】日本の食料自給率「カロリーベース」の裏のウラ 正直、こんな指標は農業政策に無意味だ

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【けいざい独談】
日本の食料自給率「カロリーベース」の裏のウラ 正直、こんな指標は農業政策に無意味だ

 一方で、このカロリーベースの試算方法には多くの問題点も指摘されている。ひとつは、カロリーの高い牛肉や豚肉などは、それを育てるためのエサの自給率も考慮されることだ。例えば、日本で育った牛や豚でも、そのエサが外国産の場合は「日本産」にはならない。国内で育てている家畜も飼料までさかのぼればほとんどが輸入品。

 牛肉の場合、消費量に対して国内で生産しているのは43%となるが、飼料までさかのぼりカロリーベースの食料自給率となると、わずか11%まで下がってしまう。同じ論理に当てはめると鶏卵の自給率も9%となるのだ。

 もうひとつの問題点は、自給率は日本中で出回っている食材のうち、実際に食べられた日本産食品の割合で算出されることだ。つまり、計算する際の分母には「廃棄食料」も含まれてしまい、食べ残しなどの無駄な食材が増えれば増えるほど自給率が下がってしまうというカラクリだ。

 国内の食品の年間廃棄量は約2000万トン。これは供給量の約25%に相当する数字で、「廃棄物を除いた自給率では6割近くになるはず」(専門家)という。「自給率を上げるには、家畜を国産のエサで育てるよりも、食品ロスを減らした方が効率的ではないか」という指摘もあり、食料生産の観点だけでなく、賞味期限の見直しまで踏み込んだ議論がされている。

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