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【iRONNA発】原発賠償 格差が福島の人々を曇らせる

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【iRONNA発】
原発賠償 格差が福島の人々を曇らせる

月刊誌『Wedge』編集長・大江紀洋氏 

 もちろん、賠償の継続や増額を求める声はある。しかし、一方で賠償金の有無や多寡をめぐって、たくさんの軋轢(あつれき)が起きていることも事実である。特に、避難者と、賠償を受けていないもともとの住民が混在している南相馬市やいわき市では「賠償金をもらい過ぎだ」という声も多く耳にする。

 いわき市では、避難者が賠償金を使って建てた新居に対し、「賠償御殿」と揶揄(やゆ)する声も出ている。道路も病院も混雑し、今年3月発表の公示地価では、なんと、いわき市が住宅地の上昇率で全国トップ10を独占した。アパートを借りるのもままならない状況に、もともとの住民のストレスは高まっている。

そろそろ区切りを

 では、現状支払われている賠償金は不十分なのだろうか。実は、これまで合意に達して支払われた賠償金の平均額はきちんと開示されている。最新の資料は昨年12月末時点でのもので、原子力損害賠償紛争審査会の配布資料として公開されている。

 それによれば、4人世帯の場合、個人賠償(精神的損害賠償、避難費用、就労不能損害などの計)は4人合計で約4千万円、宅地・建物で約4千万円、家財で約500万円、田畑・山林で約500万~1千万円、住宅確保損害で約2千万円が支払われている。

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