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【日本の議論】余っていたはずの公認会計士がなぜ不足? 受験離れの背景に金融庁の失策も…

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【日本の議論】
余っていたはずの公認会計士がなぜ不足? 受験離れの背景に金融庁の失策も…

公認会計士試験の願書提出者数と合格者数の推移

専門家「会計の裾野を広く」

 こうした事態に対し「日本は会計発展途上国だ」と指摘するのは、青山学院大学会計プロフェッション研究科の八田進二教授だ。

 米国の事情を引き合いに出し、「米国では会計士の半分が監査、残りは行政機関、研究機関、一般企業などさまざまな分野で活躍している」と説明。「本来、会計士の活躍できる場は幅広いのに、日本は監査が8、9割を占め、会計士イコール監査という意識が強い。会計士の裾野を広げていく必要がある」と話す。

 現行制度では、資格取得には2年間の実務経験が必要で「監査法人に就職することが大前提になっている」と指摘。改善策として「独占業務である監査に携わる者には試験合格後も何らかの規制を掛けてもいいが、その他は合格した時点で資格を与え、活躍の幅を広げるべきだ」と主張する。

 一方、金融庁の公認会計士・監査審査会は合格者の減少に危機感を抱きながらも「試験の質も確保せねばならず、まずは受験者を増やすことが大切」と説明。学生に会計士の魅力を伝える広報に力を入れるとともに、一般企業への就職を支援して職域の拡大にも取り組んでいく方針だ。

 ただ、一般企業で活躍してもらおうにも、企業側からは「合格間もない人よりも、経験を積んだ会計士がほしい」「資格を持っていても27、28歳であれば新卒の生え抜きを育てた方がいい」との声も聞かれ、需要と供給のミスマッチも存在する。

 会計士の裾野を広げたくても一筋縄ではいかなそうだ。

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