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【日本の議論】衆院選「開票ミス」を「白票水増し不正」で隠蔽した仙台市職員の凄まじき“コンプライアンス意識”…判事国民審査では“犯人”いぜん名乗り出ず

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【日本の議論】
衆院選「開票ミス」を「白票水増し不正」で隠蔽した仙台市職員の凄まじき“コンプライアンス意識”…判事国民審査では“犯人”いぜん名乗り出ず

開票所を再現して、事務手続きの説明を受ける特別委員会の委員ら=3月12日、仙台市役所

 昨年12月に行われた衆院選小選挙区と最高裁判所裁判官の国民審査で、仙台市青葉区の開票所で不正が発覚した。小選挙区では白票を、国民審査では「裁判官全員を信任する」有効票などを水増し。不正には同区選挙管理委員会の職員が関わっており、区選管事務局長まで事実の一部を隠蔽していたことまで分かった。

(木下慧人、写真も)

 市から刑事告発を受けた宮城県警は3月に公職選挙法違反容疑などで職員2人を書類送検。事件が捜査機関の手に渡ったあとも市選管や市議会でそれぞれ独自に委員会を設置した。民主主義の根幹をなす選挙制度だが、損なわれた信頼の回復に向けた道のりは長い。

「この方法しかない」

 一連の問題が発覚したのは衆院選小選挙区に比べ、比例代表の同区での投票者数が約千人少ないことに気づいた報道機関からの指摘だった。

 小選挙区の投票後に、比例代表だけ投票しない有権者が千人近くいることは考えにくく、区選管は調査を開始。すると、開票所の担当者2人が不在者投票と点字投票の人数を二重計上していた。つまり、「比例の投票者が少ない」のではなく「小選挙区の投票者が実際より多かった」のだ。

 ところが、当日の開票現場では通常では考えられない判断をしてしまった。突如現れた原因不明の千人分の齟齬に対して、作業に従事していた係長級の男性(当時)は異常な事態に気づいたが、「つじつまを合わせないと開票が終わらない」と考え、申告することなく、白票で埋めてしまった。当日の上司にあたる区選管の選挙課長(当時)に「この方法をとるしかない」と報告し、上司も黙認した。

 その後の市の調査で国民審査についても同様の不正が分かった。小選挙区と同じ集計ミスで、投票者数が千人分多くなった。そこに何者かが投票者数と票数の齟齬を埋めるために、全ての裁判官を信任する票を500票、持ち帰り票を505票として処理。こちらは誰が行ったのかは判然としていないが、作為的な処理の可能性が高い。

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