記事詳細
【日本の議論】
衝撃「ある東大生のレポートは75%がコピペ」東大の告知 論文不正は止められるか
次々に起こる論文不正問題に対し、国も手をこまねいているわけではない。今年4月から運用が始まる「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」では、倫理観の向上に力を入れる。大学や研究機関が主体的に教育を行い、組織を挙げて不正行為の防止に関わることを求めている。
もう1つの柱となっているのがデータ管理の徹底だ。
論文に掲載された画像データは、比較しやすさや見やすさを実現するため明るさやコントラストの調整が行われる。この際、不正なデータ処理が行われていないか確認できるよう、実験で得た生データを保存することも義務づけられるようになる。
東大分生研では、論文不正の疑惑が起きた直後から実験データをすべて保管するという厳格なルールを定めるなど、各研究機関ともガイドラインに沿った環境づくりの模索を初めている。
研究者の経験から画像分析のソフト開発
「倫理教育とデータ管理は不正を防止する両輪だが、現在の日本ではデータを管理、分析するシステムの構築が大きく遅れている」
厳しい指摘をするのは、画像解析ソフトを製作している、東大発のベンチャー企業「LPixel(エルピクセル)」の社長、島原佑基さん(27)だ。
最先端の画像処理技術を応用し、生命科学分野の学術論文の画像を中心に、切り張りや不自然な加工がないかチェックできるシステムを考案。26年3月に会社を設立した。