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【日本の議論】相次ぐ裁判員判決「破棄」は何を物語るか…“国民感覚反映”と“量刑均衡”に揺れる刑事裁判

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【日本の議論】
相次ぐ裁判員判決「破棄」は何を物語るか…“国民感覚反映”と“量刑均衡”に揺れる刑事裁判

送検される池永チャールストーマス被告。1審東京地裁立川支部は懲役22年の判決だったが、東京高裁は「1審判決は誤り」として破棄、審理を差し戻した=平成25年10月、警視庁三鷹署(鈴木健児撮影)

 東京都三鷹市で平成25年に発生したストーカー殺人事件で東京高裁が2月、「起訴していないリベンジポルノを過大評価した1審は誤りだ」として、東京地裁立川支部の裁判員裁判判決を破棄し、審理を差し戻した。また、裁判員裁判の死刑判決を破棄して無期懲役を言い渡した東京高裁判決が複数確定するなど、プロ裁判官による裁判員裁判への“注文”が相次いでいる。制度の原点といえる「国民感覚の反映」か、それとも「過去の量刑との均衡」か。今年で開始6年を迎える裁判員裁判は、より質の高い運用が求められている。

「リベンジポルノでは起訴されていない」と指摘

 リベンジポルノの過大視が問題とされたのは、平成25年に東京都三鷹市で高校3年の女子生徒=当時(18)=が殺害された事件の裁判員裁判だ。事件では殺人罪などに問われた元交際相手の池永チャールストーマス被告(22)が、生徒のプライベートな画像を事件前後に流出させた行為が話題になり、リベンジポルノという言葉が広く世間に認識されるに至った。

 東京地裁立川支部での1審裁判員裁判は、生徒自身や遺族らの名誉を傷つけることになるリベンジポルノの悪質性を重く見た。過去にあった交際トラブルで発生した同種の殺人事件の判決と比較し、被告の弁護側は「懲役15年程度が相当」と主張したが、裁判員らは「命を奪うだけではなく、社会的にも手ひどく傷つけたことは極めて卑劣だ」として、懲役22年という結論を出した。

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