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【法廷から】「私はもう、先生じゃないから」地下鉄サリン“自首”元エリート医師「林郁夫」が法廷で露にした“怒りの表情”

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【法廷から】
「私はもう、先生じゃないから」地下鉄サリン“自首”元エリート医師「林郁夫」が法廷で露にした“怒りの表情”

平成7年4月に撮影された林郁夫受刑者の写真。証人出廷した際には、短く刈った頭には白髪が目立ち、月日の流れを感じさせた

 慶応大医学部卒の元エリート医師は、約20年たった今でもオウム真理教による一連の事件を悔いた。地下鉄サリン事件で散布役として唯一死刑を免れ無期懲役刑となった元幹部の林郁夫受刑者(68)。2月5日の元信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判で、目黒公証役場事務長の仮谷清志さん=当時(68)=監禁致死事件の審理に証人出廷した。事件の遺族らに涙ながらに謝罪する一方、元医師としての複雑な心境も垣間見えた。

何度も何度も謝罪

 「ちょっと一言いいですか」。午前10時に法廷に姿を見せた林受刑者は、検察側の主尋問が始まると間もなく、女性検察官の質問を遮った。元教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(59)を呼び捨てにし「私と麻原が亡くならせてしまった方々、ご遺族、心や身体を傷つけた方、今もなお後遺症に苦しんでいる方に心からおわびします」と涙ながらに謝罪した。

 その後は「音が耳に入っても聞き取りにくい。左耳は聞こえるのですが」と尋問する検察官に体を向けながら聞いていた。事件について淡々と述べていたが、被害者の仮谷さんが拉致され教団施設に運ばれる際の証言を求められた際には言葉に詰まり、下を向いて約20秒間の沈黙後に涙声で当時を振り返った。

 さらに仮谷さん事件についての現在の認識を問われたときも「何というか、表現のしようがない」としばらく沈黙。「いろんな人に育てられて医師としてやってきたけれど、そういう知識や経験を使って仮谷さんを死亡させた」と声を振り絞った。

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