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【日本の議論】諫早湾干拓「水門開いても閉じても国は制裁金」最高裁決定の“不可解” 国も司法も解決できぬ“迷路”

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【日本の議論】
諫早湾干拓「水門開いても閉じても国は制裁金」最高裁決定の“不可解” 国も司法も解決できぬ“迷路”

国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防北部排水門。右側が調整池=長崎県諫早市

 国営諫早湾干拓事業の開門調査をめぐり、水門開閉のいかんに関わらず、国が制裁金を支払い続けるという相反する2つの決定が1月、最高裁で確定した。漁業被害を訴え開門を求める漁業者と、塩害の危険性から開門に反対する営農者の板挟みになる国。開門すれば営農者側に、開門していない現状では漁業者側に対し制裁金支払いの義務を負う。決断・調整ができずに今日の苦境を招いた国は、「最高裁に開門の是非を統一判断してほしい」と問題解決に白旗を上げたが、識者からは「法律問題で白黒付けられない難しい案件。最高裁が統一判断を示すのは難しいのではないか」と指摘している。

菅直人元首相、「開門」判決上告せず

 問題となっているのは諫早湾干拓事業の「潮受け堤防」の開門の是非。

 平成元年に着工されたこの事業は、諫早湾を堤防で閉め切り、干拓するというもので、9年に潮受け堤防が完成して諫早湾を閉鎖。約670ヘクタールの干拓農地などを造り、平成20年に完成した。

 計画段階から閉門による漁業被害の可能性が指摘されていたが、事業が進むにつれて懸念が顕在化。地元漁業者から事業に対する反発が続いた。

 その後、漁業者らが国を訴えた裁判で福岡高裁が22年、開門を命じる判決を言い渡した。この判決について、従前から事業に反対の立場を取ってきた民主党の菅直人首相が「私なりの知見」を理由に上告を見送り、開門判決が確定した。

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