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【大人の遠足】東京・旧東海道品川宿 鉄火巻「発祥地」説の真相は

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【大人の遠足】
東京・旧東海道品川宿 鉄火巻「発祥地」説の真相は

 東京・日本橋から始まる旧東海道の最初の宿場、品川宿。「鉄火巻発祥地では?」という話を耳にして、この地に足を踏み入れようと思った。確たる文献は残されていないが、歴史の真実に近づくには現場の聞き込みが大事。地元の人が示した周辺から探索を始めた。

賭場が由来?

 鉄火巻の語源は「マグロをぶつ切りにして巻く様を、身を持ち崩したヤクザを表す鉄火とかけた」「マグロの赤身が鉄を焼いた色に似ている」など諸説あるが、どれも荒っぽい話が多い。

 京急新馬場駅(品川区)南口を降り旧東海道に出た。賭場(鉄火場)があったとされる御嶽(みたけ)稲荷神社付近を歩くうち、この地に昭和27年から住む自営業、井川博夫さん(84)から話を聞けた。

 「住み始めたころには賭場があったよ。そこにいた人たちが、マグロをぶつ切りにした飯をのりで巻いて食べたと聞いた」

のり養殖盛ん

 鉄火場跡地の近くに大正7年創業の藤森海苔店がある。同店の藤森洋子さん(55)は「鉄火場の食事で、のりで魚を巻く習慣があったと先代から伝わっています」。双葉鮨の主人、中島三夫さん(70)も「かっぱ巻きはカッパがキュウリ好きという理由だし、ネーミングは後付けが多いのでは」と話す。

 「飲食事典」(本山荻舟著)によると、鉄火巻は「明治中葉以降の嗜好(しこう)」とあり、名称もそれ以降と思われる。

 区史編纂(へんさん)に携わった坂本道夫・O(オー)美術館副館長(65)は「のり養殖が盛んで賭場があり、すし屋も多かったことから、発祥の地と想像に難くない」という。

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