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【さらば愛しき人よ】声優、大塚周夫氏 「ブロンソン」「ねずみ男」「ゴールド・ロジャー」…“声の彫刻家”亡くなった日も「収録」

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【さらば愛しき人よ】
声優、大塚周夫氏 「ブロンソン」「ねずみ男」「ゴールド・ロジャー」…“声の彫刻家”亡くなった日も「収録」

 ニッポン放送「ゲゲゲの鬼太郎のオールナイトニッポン」の収録で。(左から)中川翔子、ねずみ男・大塚周夫、鬼太郎・野沢雅子、目玉おやじ・田の中勇、佐野史郎の各氏=平成18年、東京・有楽町(長崎右撮影)

 それがずるさの権化であるねずみ男の声を演じるとは。この落差。プロとはそういうものかもしれない。

 テレビドラマのアクション俳優として売り出していた1961年、東京新聞のインタビューで大塚さんは「子供のときには彫刻家になりたかった」と発言している。父の辰夫は日展無鑑査の彫刻家、叔父は「東洋のロダン」と称された彫刻家の朝倉文夫。文夫の娘は舞台美術家の朝倉摂。芸術一家の生まれであった。

 東京都出身。中学時代にボクシングとダンスを始め、自らの体を彫琢(ちょうたく)しながら上野の美術学校をめざしていた。ところが、新宿第一劇場で見た芝居に心奪われ、戦後創設された劇団東俳に入り役者稼業に。テレビドラマの放送が始まると、鍛え抜かれた身体を見込まれ、悪役のアクション俳優として重用された。特に殴られ役として丹波哲郎さんに愛されたという。

 米俳優リチャード・ウィドマークに憧れ、彼の芝居を熱心に研究していたおり、テレビで洋画の吹き替えが求められるようになる。テレビ関係者に「ウィドマークの吹き替えをやらせてほしい」と頼んで回り、願い通りその仕事を獲得する。こうして俳優と声優の掛け持ち人生が始まった。

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