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【日本の議論】「12時間連続勤務」「ノルマ達成できず罰金」学生追いつめる「ブラックバイト」凄惨実態 それでも辞められぬ“3つの理由”

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【日本の議論】
「12時間連続勤務」「ノルマ達成できず罰金」学生追いつめる「ブラックバイト」凄惨実態 それでも辞められぬ“3つの理由”

 続く理由がフリーターとの過度な競争だ。ある理系の学生が大内教授のもとへ「バイトの面接に50社落ちた」と相談に来た。「大学で実験がある日は行けないと言うと『使い勝手が悪い』と働かせてくれない」のだという。勤務時間で融通が利くフリーターの増加で、辞めたくても次のアルバイトが見つからず、居続けざるをえない。

 さらに、高い習熟度を必要とするアルバイトが増え「新しい仕事を最初から覚えるのは難しい」と、学生が「転職」に二の足を踏む傾向にあるという。

 対策として、大内教授らは「ブラックバイト」への対処法をまとめた冊子を作成した(「ブラック企業対策プロジェクト」のホームページからダウンロード可能)。学生側の対応を初級編~上級編に分けて、Q&A方式で説明している。「残業代が払われない」「休憩時間がない」など違法性のある労働を学生に気づかせる点に主眼を置いた。

 ブラックバイトの被害者は、学生だけではない。学生バイトに正規雇用者並みの労働をさせることで、正規雇用者数が減り、処遇も低下するというデメリットもあるという。こうした点も踏まえ、大内教授はこう危惧する。

 「『安くて使い勝手がいい』学生が、日本経済に組み込まれている。職業現場に出てから企業が本当に鍛えようと思っても、学業の土台がなければ国際競争に勝てない場面も出てくるだろう。このままではブラックバイトが元凶となり、日本経済がいずれは崩壊する可能性すらあるのではないか」

 大内教授は大学や行政にブラックバイトに関する相談窓口を設けることや、企業側に学業との両立が可能になるよう配慮を求めるなど、問題提起を続けていくつもりだという。

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