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【日本の議論】中国「反日」で立ち消えそうな仙台「パンダ誘致」…ここまでの“外交カード化”に反発強まる

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【日本の議論】
中国「反日」で立ち消えそうな仙台「パンダ誘致」…ここまでの“外交カード化”に反発強まる

八木山動物公園にパンダが来た場合にパンダ舎を建設する予定の入り口付近。ただ、実現は厳しい状況にある=仙台市太白区

 そんな時に助け舟を出したのが大手芸能事務所「ジャニーズ事務所」だった。同事務所が設立した「マーチングJ財団」は24年6月に、資金的な支援を表明。「パンダ舎の建設費用」「日本への輸送費」「5年間の保護資金、損害賠償保険料、エサ代」を肩代わりしてもらうことになった。市も受け入れ態勢を整えるために「市ジャイアントパンダ導入プロジェクト会議」を開催。八木山動物公園では入り口付近にパンダ舎を建設する計画を打ち出し、100万人の動員(23年度は47万人)、経済効果を約50億円と見込んだ。パンダを受け入れる準備は着々と進んでいた。

 順風満帆に進む計画に夢が膨らむ仙台。震災復興としてのパンダといえば阪神大震災後の12年に神戸市立王子動物園に中国から2頭のパンダが貸与された歴史がある。杜の都のパンダ誕生も秒読みかと思われたが、想定外の障壁があった。

尖閣問題で音沙汰なくなる…反対運動まで

 仙台では歓迎ムードが高まる中、両国間では懸案が持ち上がっていた。24年9月に尖閣諸島を国有化したことを受けて、中国で反日感情が高まった。これを受けてパンダ誘致をめぐる動きは自然とストップ。市建設局総務課の湯村剛係長は「そもそも中国と本格的な協議が始まっていない段階だった」と話す。中国側との正式な協議は開始されずに現在に至っている。プロジェクト会議も24年8月の第2回会合を最後に、2年以上も開催されていない。「会議で話す内容がないので、開くことはありません」と湯村係長。せっかく作った計画も“獲らぬパンダの皮算用”となりつつある。

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