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【取材余話】ラクダのツガルさん、死して衰えぬ人気 横浜・野毛山動物園の32年ぶり100万人達成も現実味

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【取材余話】
ラクダのツガルさん、死して衰えぬ人気 横浜・野毛山動物園の32年ぶり100万人達成も現実味

5月に息を引き取った世界最高齢のフタコブラクダ「ツガル」の企画展には、多くの人たちが訪れている=12月18日、横浜市立野毛山動物園

 横浜総局へ赴任したばかりの一昨年12月、当時のデスクに「君の最優先事項だ」と言われて緊張しながら資料を受け取ったのが最初だった。そこに記されていたのは、横浜市立野毛山動物園(横浜市西区)で飼育されていた、世界最高齢のフタコブラクダ「ツガル」(雌)の誕生日会のお知らせ。当日は約500人が祝福のために集まった。「ツガルさん」と広く親しまれ、人気の高さに驚かされたことを思い出す。

 そのツガルさんが今年5月23日、老衰のため推定38歳で息を引き取った。人間なら120歳にも相当する文字通りの大往生。生前のツガルさんを取材し、貫禄たっぷりだった姿に思い入れもある。忙しかった今年を振り返るに当たり、自然と野毛山動物園に足が向いた。

 訪れたのは12月18日。この日はツガルさんの誕生日だった。かつてツガルさんが暮らしていた展示場は改装され、人間では四十九日に相当する7月10日からメモリアル企画展「ツガルさんのいえ」を開催中で、誰でも入ることができる。

 企画展ではツガルさんの大きな“遺影”が飾られ、献花台にはたくさんの花や好物だったリンゴなどが供えられていた。

 傍らのノートには入園者らが「いつまでも心の中にツガルさんはいると思っています」「来年5月の一周忌には必ずまた来ます」などと心のこもったメッセージをつづっている。動物園側が当初用意したノート5冊はすぐに埋まってしまい、今では40冊以上にのぼっている。

 同市西区の大学3年、遠藤望さん(21)は「亡くなったと聞いて悲しかった。ここに来て分かったのですが、想像以上にみんなに愛されていたのですね。私もぬいぐるみを部屋に飾っています」と話し、遺影に手を合わせた。

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