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【検証・地球儀俯瞰外交】(中)欧州・ロシア 「ウクライナ」挟んで揺れる“距離感” 北方領土問題は視界不良

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【検証・地球儀俯瞰外交】
(中)欧州・ロシア 「ウクライナ」挟んで揺れる“距離感” 北方領土問題は視界不良

11月9日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれた北京で会談に臨む安倍晋三首相(左)とロシアのプーチン大統領(AP)

 外務省の欧州局員たちは最近、所管のヨーロッパとロシアを大きく拡大した1枚の地図を眺める機会が増えているという。彼らが重要資料として手元に置くこの地図は、安倍晋三首相が訪問した国々が次々と色塗られては作り替えられ「空白」が一目でわかる。首相が進める「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」の文字通り“羅針盤”となっているのだ。

 地図を考案したのは、第2次安倍政権発足時に欧州局長だった上月(こうづき)豊久官房長だ。地政学的かつ戦略的なイメージを持つことが重要だという観点から生まれた「上月マップ」は、後任の林肇欧州局長にも受け継がれた。首相の来年の訪問国として「空白」のバルカン半島、北欧の諸国が検討されているという。

 首相は世界第2位の経済大国・中国に向きがちだった欧州諸国の目を、経済政策「アベノミクス」をてこに日本へ向き直させることに力を注いだ。米国の国際的影響力が相対的に低下するなか、同じ「自由と民主主義」という価値観を共有する欧州との“距離”を縮めることは不可欠だという判断もある。

 欧州にとって喫緊の課題は、今年3月のロシアによるクリミア併合で乱気流に入ったウクライナ情勢だ。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺をはじめとする中国の野心的な海洋進出は「遠い国の話」だったが、欧州訪問での首脳会談や国際会議で首相は粘り強く説明し、理解は広がった。

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