産経ニュース

【日本の議論】視覚障害者4割「転落した」後絶たぬ駅ホーム事故…ホームドア設置僅か「6%」、「自ら危険避けて」に不信感も

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【日本の議論】
視覚障害者4割「転落した」後絶たぬ駅ホーム事故…ホームドア設置僅か「6%」、「自ら危険避けて」に不信感も

 だが、男性の代理人は、どちらも転落後の危険回避設備で、転落防止策にはならないとしている。代理人は、視覚障害者が転落した際には周囲の人に頼るほかない状態にもかかわらず、「自ら危険を避けて」と主張する同社に不信感を抱いている。

 社会福祉法人日本盲人会連合の調査(平成23年)によると、視覚障害者の約4割の人が「転落経験あり」と回答。また、「転落を防ぐために一番先に行ってほしいものは」との問いに対し、▽ホームドアの設置(158人)▽点字ブロックのきちんとした敷設(44人)▽駅員の配置(32人)▽周囲の人の声かけ(18人)-と答えた。ホームドアなどの転落防止策を必要としている実態が浮かび上がった。

事業者だけでなく、社会全体で方向性を

 ホームドアの設置費や人件費がかさめば、鉄道会社の経営を圧迫しかねない。設置できなくても法令違反ではないし、国交省も「事業者側に責任を負わせられるものではない」とする。だが、プラットホームは「欄干のない橋」「柵のない絶壁」などとたとえられるくらい、視覚障害者にとっては危険が伴う。これらの切実な声に対し、どのように向き合うべきなのか、社会全体で方向性を示す必要がある。

 国交省の担当者は11月、ホームドアについて、東京五輪が開催される平成32年度までに800駅に設置するという数値目標を盛り込んだ交通政策基本計画案が「もうじき閣議決定される予定」と話していた。12月に入り、改めて進捗(しんちょく)状況を聞くと、「この度の政治状況で…遅れている」と言葉を濁した。

「ニュース」のランキング