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【スゴ技ニッポン】中国引き離す日本の「炭素繊維」世界シェア「7割」の技術力…「強度は鉄の10倍、重さ1/4」遂に自動車採用の新局面

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【スゴ技ニッポン】
中国引き離す日本の「炭素繊維」世界シェア「7割」の技術力…「強度は鉄の10倍、重さ1/4」遂に自動車採用の新局面

初導入された高水圧で炭素繊維を切削する「ウォータージェット」=5日、滋賀県米原市の東レ・カーボンマジック(田村慶子撮影)

 日覚社長は、「自動車向け炭素繊維複合材料の採用拡大のため国内外の自動車メーカーなどと共同開発を進めているが、今回の取り組みでさらに一歩前進した」と手応えを語る。

 東レは、今年3月までに買収した米炭素繊維製メーカー、ゾルテックの生産能力を平成32(2020)年までに倍増させることも検討している。

帝人は耐熱性で勝負

 一方、帝人は耐熱性を向上し、320度の環境でも使用できる炭素繊維複合材料を開発した。従来品は300度以上になるとゴム状の柔らかな状態に変化してしまうが、分子量などの調整で性質が変わる樹脂を改良。加熱時と冷却時の伸び縮みによる亀裂などを防ぎ、航空機や自動車などのエンジン周辺部品への活用を見込む。

 炭素繊維は、炭素原子が多く含まれるアクリル繊維などを空気中で200~300度、無酸素状態で1000~2000度など数回蒸し焼きにし、余分な成分を取り除いてつくる。東レ、帝人、三菱レイヨンの日本企業3社は、焼く温度や時間、無酸素状態の作り方などで高機能な炭素繊維の生産技術を確立し、世界シェアで海外企業に大きく差を付けている。

 ただ、中国や韓国、トルコなどの企業も近年、市場参入して競争が激化。炭素繊維の生産技術では将来的に追い付かれる可能性もあるが、「樹脂の改良や、部品にする成型技術によって新興勢力と差別化を図っていく」(帝人コーポレートコミュニケーション部)。

 炭素繊維は航空機や燃料電池車のほか、発電用風車やスポーツ用品などで採用がまだまだ広がるのは確実。年率15%の伸びが見込まれる成長市場で、シェアをさらに拡大できるか-日本企業のもの作りが改めて試されることになる。(会田聡)

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