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【防衛最前線】(9)短艇(カッター) 海自の誇りを支える人力舟 容赦なき「総短艇用意」に海自幹部は震え上がる…

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【防衛最前線】
(9)短艇(カッター) 海自の誇りを支える人力舟 容赦なき「総短艇用意」に海自幹部は震え上がる…

 全長約9メートル、総重量1.5トン。旧海軍時代は戦艦などに積み込まれ、他の艦艇への物資の運搬などで乗員が洋上で艦艇を離れる際に使われた。ときには沈没寸前の艦艇から退避するための舟にもなった。時は経ち、現在の海上自衛隊艦艇にはエンジンで動く内火艇や作業艇が搭載されている。人力でオールを漕ぐ短艇(カッター)が、もはや“過去の舟”であることは否めない。

 しかし、一線を退いたわけではない。しかも、数々の荒波を乗りこえてきた海自幹部の誰もがもっとも恐れる舟として“活躍”しているのだ。

 防衛大学校や一般大学の卒業生らが初級幹部自衛官として必要な基礎的知識と技能をたたき込まれる幹部候補生学校(広島県・江田島)では、「総短艇」と呼ばれる訓練が行われる。

 海難事故時に乗員が脱出する「総員離艦」を想定し、生徒たちは指令が下されると、岸壁につり下げられた短艇を海面に降ろし、決められたコースへ漕ぎ出ていく。指令が下るのはいつも抜き打ちだ。昼ご飯を食べているときでも、休憩時間でも、生徒たちはすべての作業を止めなければならない。昨年度は計30回行われたという。

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