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【日本の議論】NHK報道スタンスが変わった? 「籾井効果」か…「政府寄り」怒る市民団体、番審は「バランスよくなった」 

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【日本の議論】
NHK報道スタンスが変わった? 「籾井効果」か…「政府寄り」怒る市民団体、番審は「バランスよくなった」 

「放送を語る会」が開いたシンポジウムでは、「籾井会長NO!NHKを市民の手に」と書かれた巨大なポスターが掲出されていた=11月16日、東京都内

「番組作りは難しくなっている」

 NHKの番組には以前から厳しい視線が注がれてきたが、籾井会長の就任記者会見での言動によって注目がさらに拡大したのは間違いないだろう。ただ、受信料収入で成り立つNHKの番組が視聴者から注視される状況は、NHKの自主自立や健全な発達にとって望ましいことでもある。

 7月17日放送の「ニュースウオッチ9」で、大越健介キャスターは在日コリアン1世について「1910年の韓国併合後に強制的に連れて来られたり、職を求めて移り住んできた人たちで、大変な苦労を重ねて生活の基盤を築いてきた」と解説。大越氏の解説は「強制連行」との誤った認識を視聴者に与えるとして経営委員会や中央番審でも言及され、NHK側は「多くの意見をいただいたので、それを受け止め、参考とし、常によりよい表現をしていく」との姿勢を示した。

 また、9月の中央番審では、佐賀空港への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備をめぐるニュースで、「オスプレイの軍事利用は認めない」などと地元住民の反対意見のみを報じたことも話題になった。委員の一人は、オスプレイ配備をめぐる安全保障上の解説が不十分として、「素材を出し、それに反対する人だけを出すと、スタンスは反対としてみられてしまいがちだ」と指摘した。

 NHK幹部は「ライフスタイルや価値観が多様化する社会状況下で、すべての視聴者に歓迎されるような番組作りが難しくなっているのは確か」と現場の苦労をにじませつつ、「局内でも意見や見解をぶつけ合っているが、視聴者の声に真摯(しんし)に耳を傾け、地道に放送に反映させていくしかない」と話している。

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