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「貧乏でも打つ手はあります」…『夕張再生市長』に財政破綻の街の秘策を聞く

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「貧乏でも打つ手はあります」…『夕張再生市長』に財政破綻の街の秘策を聞く

『夕張再生市長 課題先進地で見た「人口減少ニッポン」を生き抜くヒント』鈴木直道著、講談社

 理屈は分かってもらえても「自分が移転対象だ」となると、誰しも二の足を踏む。そこを夕張市では市長以下、職員が住民の家を訪れて一対一で何時間も説明し、理解を求めて最終的には全員の同意を取りつけた。結果としてコンパクトシティ構想は順調に進んでいる。

 市の借金を返し終えても、市全体が疲弊してしまっては元も子もない。目指すのは「夕張のようになりたい」と他自治体の目標になる街づくりだという。

 実は夕張市は炭鉱住宅の流れを引き継いでいるため公営住宅の割合が日本一高いといい、意外にも民間の賃貸住宅が不足している。近年、企業誘致に相次いで成功したものの、市内に家がないため近隣の市から夕張へ通ってくる人も多いのだとか。

 鈴木市長自身、市長選に立候補した際には「無職、無収入」だったため公営住宅に入居できたが、市長に当選して公営住宅には住めなくなった。そのため市内に35年ローンで自宅を新築。とはいえ市長の報酬は都職員より低く、通常なら4年ごとに出る市長の退職金も、ない。

 そのためローンの繰り上げ返済はまず無理だが「今の家は夕日がきれいな丘の上にあり、街の明かりも少ないので星空が美しく、今でも感動する。四季の移り変わりを体感できる人間らしい生活で、ある意味ぜいたくかもしれません」と話す。立場はどうなろうとも夕張の将来を見届けるつもりで、「ここに骨を埋めるつもり」と覚悟はできている。

 多くの課題を抱えながらも解決策を見つけつつある夕張は、日本の将来を探る上でも注目すべき街といえそうだ。

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