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【正論講演】中国は日米と戦争するか スケープゴートは日本 尖閣に手を出す可能性は「ある」 防衛大・村井教授

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【正論講演】
中国は日米と戦争するか スケープゴートは日本 尖閣に手を出す可能性は「ある」 防衛大・村井教授

村井友秀防衛大教授の講演に熱心に耳を傾ける群馬「正論」懇話会の会員ら=10月30日、前橋商工会議所

 だから、日本が単独でも勝てるようにするしかない。

尖閣を先鋭化させたのは中国の国内事情

 中国が尖閣に手を出す可能性はあるか否か。私はあると思う。

 ここでスケープゴート理論というものを説明したい。

 そもそも、尖閣をめぐって日中関係が緊張しだしたのは、日本による尖閣の国有化とは関係がない。尖閣については中国は2008年から動き出した。中国は日本をスケープゴートにしようとしているからだ。その最大の原因は国内の暴力的なデモだ。中国ではデモが頻発している。年間10万件を軽く超えているだろう。しかもデモの特徴は大規模で暴力化、凶暴化している。体制にとって、これは深刻な危機なのだ。

 原因は何か。すさまじい国内格差だ。中国では今から30年前に経済改革が始まったが、当初は一部が富を得て、遅れて貧しい者も豊かになるといわれた。だが、そうはならなかった。格差は広がり、ひどくなる一方だ。金持ちしか偉くならない共産主義に、貧しい者たちが激しく抗議している。

 そんな内部でたまった国民の不満を外に向けて、目をそらそうとしている。日中間の緊張と日本の国内状況は関係ない。国内の緊張を外に向けるために、日中間の緊張を一定の範囲内に保とうとしている。だから日中間の緊張が下がり過ぎると公船を日本領海に侵入させたりして日中間の緊張を高め、緊張が高まり過ぎると下げる。日本との関係改善をしようとしているわけではない。日中間の緊張関係を操作しているだけだ。

 中国のスケープゴートは日本でなければいけないのか。スケープゴートになるのは、国民的に盛り上がる存在でなければいけない。中国には日本以外にロシアという格好の国がいるが、中国は選ばない。ロシアは危険すぎるからだ。あの国は何をするか分からないところがあって、本当に怖い。逆に日本はちょうどいい、安全な敵なのだ。

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