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【日本の議論】子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」「般若」の看板まで

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【日本の議論】
子供の声は「騒音」か…脅迫、訴訟、保育所そばに「ドクロ」「般若」の看板まで

 日本保育サービスの山口代表は条例が保育所の新規開設のハードルとなっていると指摘。「いい場所を見つけても、近隣にあいさつに行った際、『迷惑料を払えば目をつぶる』というような住民がいた場合、設置をあきらめる」といい、待機児童が問題化するなか、「保育所をつくりにくい状況になっている」という。

「健全育成妨げる」

 子供の声について、早稲田大人間科学部の菅野純教授(教育心理学)は「感動したり、うれしかったりすると、子供は自然に『キャッキャ』と声を出してしまうものだ」と説明。「これは楽しさを共有し、社会性や情緒的な豊かさを育むために必要な行為で、『シーン』としている子供のほうが、むしろ不自然で心配になる」と指摘する。

 その上で、「電車の中など、場合によっては、しつけのためにコントロールしないといけない局面はあるが、時代とともに周囲が騒音に対して寛容でなくなってきたというのも、トラブルの背景にはあるのだろう」と語る。

 国立国会図書館によると、子供の騒音に寛容な社会を目指すため、ドイツでは2011年7月、連邦環境汚染防止法を改正し、託児施設や公園などの騒音は「環境への有害な影響を与えるものとは認めない」とする新たな規定を盛り込んだ。子供の騒音に対する訴訟が相次ぎ、保育所の運営が制限されたり、禁じられたりするケースが出てきたことへの対応という。

 東京都では、2月議会の予算特別委員会で「条例の規定が保育所設置の障害になっている」などと都議から指摘を受けたことで見直し議論が浮上。今後、区市町村の意見も踏まえた上で、来年度には条例改正などの対応を行う考えだが、都の担当者は「騒音に困っている人がいるのも事実であり、うまくバランスを取りながら新たな規定について考えていきたい」としている。

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