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【島が危ない 北の海の火種(1)】せり出す露軍艦、怯える北の漁民 

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【島が危ない 北の海の火種(1)】
せり出す露軍艦、怯える北の漁民 

 漁船への脅威は、軍艦も例外ではない。

 同町の小野徹町長(64)も「密漁船だけではなく、ロシアの戦艦や潜水艦も航行しているのは間違いない」と断言する。

 「いつ軍艦に衝突されるか不安だ」。まだ軍艦と衝突したというケースは判明していないが、漁民は軍艦の航行に脅えている。

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 海上での危機は、隣の利尻島でも耳にする。

 利尻富士町の漁師、佐々木修さん(49)は毎年、稚内市から南に約130キロ離れている羽幌町まで船体整備に行く。その際、カニの密漁船や運搬船が利尻島や礼文島の周囲を航行しているのを見かける。

 「いない年はない。乗組員はロシア人だが、船籍はロシア船籍じゃないから、事故があっても、船主が分からない」。以前は銃器を積んでいた船も多くいたとも、佐々木さんは聞いた。

 利尻富士町の田村祥三町長(60)は「銃撃されたことはないようだが、密漁船に追いかけられるなど恐ろしい目にあった話は何回も聞いた」と証言する。

 同町の長岡俊裕町議(57)はこう警鐘を鳴らす。「この地域はロシアを相手に潜在的な危機感があるが、表面上、何も起きていないように見えるから、目が届かないだけなのだ」

(編集委員 宮本雅史)

 利尻島 北海道北部、日本海上に浮かぶ円形の島で、面積182・1平方キロ。中央にそびえる利尻山(標高1721メートル)は多種多様な高山植物が生息、夏場は登山客のメッカになる。利尻富士町と利尻町の2つの自治体があり、人口は、8月末現在で、利尻富士町は2782人、利尻町は2259人。

 礼文島 礼文水道を挟んで利尻島の北西に位置、200種類以上の高山植物が咲き乱れることから花の浮島とも呼ばれる。面積81・33平方キロ。人口は8月末現在で2728人。両島とも利尻礼文サロベツ国立公園に指定されている。

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