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【島が危ない 北の海の火種(1)】せり出す露軍艦、怯える北の漁民 

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【島が危ない 北の海の火種(1)】
せり出す露軍艦、怯える北の漁民 

 運搬船はそのまま逃走したが、稚内海上保安部に業務上過失往来危険の疑いで摘発され、ロシア人1等航海士が逮捕された。航海士はその後、旭川地裁稚内支部で業務上過失致死罪などで禁錮1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 事件としては一件落着したかにみえたが、一家の柱を失った家族の前には理不尽な壁が立ちはだかった。

 家族は損害賠償請求を検討した。だが、ロシア人船長は帰国して連絡が取れない上、船主も不明。結局、請求相手が分からず断念した。手にしたのは、差し押さえた運搬船の競売で得た百数十万円だけだった。

 「結局、泣き寝入りするほかなかった」。藤田町議は無念そうな表情を浮かべた。

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 車を島の最北限のスコトン岬に進める。遠くに樺太(サハリン)が望めるという岬の先には、群青色の日本海にトド島が浮かぶ。

 「ロシアの密漁船はトド島の先で、密漁したカニを別の運搬船に積み替える。運搬船は礼文島の沖から宗谷海峡を通って稚内港に入る」。藤田町議は人さし指で水平線をなぞりながら説明した後、付け加えた。

 「このあたりは軍艦の往来も多い。今は尖閣諸島ばかりが注目されるが礼文、利尻島沖も同じだ」

漁船への脅威は、軍艦も例外ではない

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