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【経済インサイド】アリババ上場の光と影 時価総額で一気にトヨタ超えもくすぶる経営の不透明性 “マー帝国”の脆弱性も

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【経済インサイド】
アリババ上場の光と影 時価総額で一気にトヨタ超えもくすぶる経営の不透明性 “マー帝国”の脆弱性も

9月19日、念願のニューヨーク証券取引所への上場を果たし、笑顔を見せるアリババの馬雲会長(中央)(AP=共同)

 米ニューヨーク証券取引所での新規株式公開(IPO)をおよそ2カ月後に控えた7月29日のことだった。中国の電子商取引最大手、阿里巴巴(アリババ)集団の馬雲(ジャック・マー)会長は、社内のイントラネットで2万人を超える従業員に向け、「外界(社外)からの批判を客観的に認識し、それにも“適応”せよ」とする異例の通告を行った。

 追加発行分も含むIPOでのアリババの市場調達総額は250億ドル(約2兆7200億円)にも及ぶ。IPOの規模として、世界でも過去最大だった中国農業銀行(2010年、221億ドル)や2位の中国工商銀行(06年、219億ドル)を上回る。アリババは上場初日につけた株価からみた時価総額で2314億ドル(約25兆円)と一気にトヨタ自動車の22兆円も抜いた。

従業員の“おごり”をなだめる通告

 浙江省杭州市で英語教師から身を起こし、1999年の創業以来、わずか15年で成功を勝ち取ったマー氏への称賛が世界を駆け巡った。約9%のアリババ株を握りマー氏は、一夜にして250億ドルもの資産をもつ中国でもトップの富豪に躍り出た。だがマー氏の懸念は、称賛の次に来るであろう「批判」に、勝ち組に入った2万人以上の従業員が、どこまで耐えられるかだったようだ。

 マー氏の通告は上場後に世界的規模の企業となる上で、最低限の自戒を従業員に求める内容と読める。

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