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【近ごろ都に流行るもの】「アイヌ文化への共感」(上)イヨマンテ記録映画初公開 

クマの霊を送る踊りを見守るアイヌ男性。映画「The KAMUI IOMANDE」より=国立歴史民俗博物館蔵
クマの霊を送る踊りを見守るアイヌ男性。映画「The KAMUI IOMANDE」より=国立歴史民俗博物館蔵
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 北海道の先住民族、アイヌへの注目が高まっている。一昨年のアイヌ新法成立や昨年の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」オープンが話題になり、アイヌの少女が活躍する冒険時代漫画「ゴールデンカムイ」(既刊24巻)も1500万部を突破する大人気。森羅万象を神(カムイ)とするワイルドで神秘的な精神世界。自然と共生し、資源を大切に使うライフスタイルは、現代人の理想「サステナブル(持続可能)社会」と重なる。首都圏でも文化発信が活発化し、クマの霊を送る儀式「イヨマンテ」の記録映画が公開される一方、工芸技術を未来につなぐプロジェクトも始まった。(重松明子)

 小雪舞う北の大地。民族衣装をまとった老若男女が小刻みなリズムで踏み踊っている。饗宴(きょうえん)の「主賓」、肉体と切り離されたクマの頭部に感謝の献酒が…。モノクロームに浮かび上がる、イヨマンテの荘厳な光景に引き込まれた。

 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)メディアルームで公開中の「The KAMUI IOMANDE」(全65分)。昭和5年12月、スコットランド人医師、ニール・ゴードン・マンロー(1863~1942年)によって記録された映画だ。

 明治24(1891)年に来日。横浜市からアイヌの聖地、二風谷(にぶたに)(北海道平取町)に移住して、終生をアイヌ民族の研究にささげた彼の映像フィルムがデジタルリマスター化され、5月9日まで開催中の「アイヌ文化へのまなざし-N.G.マンローの写真コレクションを中心に-」展の一環として初公開されている。特集展示を担当した同館の民俗学者、内田順子教授が長年調査に尽力した成果だ。

国立歴史民俗博物館の内田順子教授(重松明子撮影)
国立歴史民俗博物館の内田順子教授(重松明子撮影)
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 内田教授は17年前、倉庫に死蔵されているマンローの35ミリフィルムの存在を知った。「肖像権の問題がある。どんな形であれば、映像を世に出せるのか。子孫の人たちと相談したい」と、二風谷へ向かった。

 アイヌ初の国会議員となった故・萱野茂さんとともに映像を見せられた、平取アイヌ文化保存会会長の貝澤耕一さん(75)は、「ひいじいさんが写っている」。曽祖父は、マンローにアイヌ文化を教えるような親しい仲だった。

 「マンロー先生は『神様みたいな人』といわれるほど、尊敬され慕われていたことが語り継がれている。もともと船医で、二風谷に定住して無料で診療もしてくれていたんだよね。欲しいモノだけ持ち去っていく日本人(和人)の研究者とは全然違う」。映画が撮影された経緯などを「一緒に調べたい」と申し出た。

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