ポケモン「ヤドン」が香川で大活躍
香川県がポケットモンスターのキャラクター「ヤドン」のパラダイスとなっている。ゲームやライセンス事業などを手がけるポケモン(東京)と同県が昨年、観光や県産品の振興に向けた協定を締結。「うどん」と語感が似ているヤドンを「うどん県PR団」に起用したためだ。県内にはヤドンがデザインされたマンホールのふたが設置され、10月からは、ヤドンのイラスト入りの揚げがトッピングされたさぬきうどんも味わえる。ポケモンファンは「香川にGO」だ。
16市町にヤドンのマンホール
9月20日午後、高松市の商店街で関係者が道路の覆いを外し、新しいマンホールふたをお披露目した。ふたの図柄は、橋を背に寝そべるヤドン。市職員は「橋は国の特別名勝・栗林公園(同市)にある偃月橋(えんげつきょう)を思わせる」と話した。
ふたの設置を祝い、ヤドンも登場。商店街には、ヤドンをかたどった手製の帽子をかぶったり、ぬいぐるみを手にしたりしたファンらが集まった。北海道千歳市のパート従業員、太田しほりさん(29)は「ヤドンのぼーっとしているところが好き。旅行の予定とふたの設置が重なり、うれしい」と喜んだ。
マンホールふたは、県内全17市町のうち宇多津町を除く16市町に1枚ずつ、同社が寄贈。観光スポットや駅前に設置された。すべて図柄が違い、メタモンやピッピなどのキャラクターがあしらわれたふたもある。ポケモンの世界をイメージして制作されたそうだが、一部のデザインは丸亀城や丸亀うちわ、瀬戸大橋、うどんといった香川にゆかりのある物がモチーフになっているようにも見える。
極秘飼育のヤドン800匹逃げ出す?
県と同社との協力関係は平成27年春にさかのぼる。この年のエープリルフール企画として、瀬戸内海の無人島で極秘に飼育していたヤドン800匹が逃げ出した-という内容の「うどん県新聞 号外」を県観光サイトで公開。目撃情報を募るなどし、反響を呼んだ。
昨年4月には、「うどん県」から「ヤドン県」への改名をぶち上げ、ヤドンと県産品のコラボレーションを発表した。改名はジョークだが、商品化は真実。「ヤドンでどれだけ人を呼び込めるか未知数」(担当者)だったが、和三盆やさぬきうどんなどのコラボ商品をイベントで販売すると、売り切れが相次いだ。
こうした実績が追い風となり、県と同社は昨年12月、「地域活性化に関する連携・協力協定」を締結。浜田恵造知事からうどん県PR団に任命されたヤドンは、「県産品や観光地の魅力をしっかりPRしていきたいやぁん」と通訳を通じて意気込みを語った。
来年度もイベント検討
今年は「ヤドンパラダイスin香川2019」と銘打ち、イベントを展開している。庵治石(あじいし)のコースターや香川漆器の箸、保多織(ぼたおり)のハンカチといった伝統的工芸品とのコラボ商品を県内限定で販売。ヤドンをデザインした張子(はりこ)や、讃岐のり染の風呂敷が抽選で当たるスタンプラリー(10~来年1月)も開催している。
10月から始まるうどんとのコラボレーションは、県内の一部のうどん店で通常価格に200円(税抜き)を追加すると、焼き印でヤドンの顔を入れた揚げをトッピングできる。「尻尾の先から甘みがにじみ出ている」というヤドンの特徴にちなんだ具材という。
4~9月に実施したスタンプラリーには、8月末時点で約1700人の応募があり、およそ4割が県外からだった。県は「他の観光イベントに比べ、県外参加者の割合が大きい」と手応えを感じている。すでに来年度に向けた企画の打ち合わせも始まっており、「多くの人に香川県に来てもらえるような仕掛けを考えている」(担当者)という。