沖縄からプロ野球参入へ 元プロ野球投手らの壮大な挑戦 - 産経ニュース

沖縄からプロ野球参入へ 元プロ野球投手らの壮大な挑戦

沖縄からプロ野球参入を目指す「BASE沖縄野球球団」代表に就任した小林太志さん=東京都千代田区(田中充撮影)
琉球ブルーオーシャンズの設立を発表した(左から)BASEの北川智哉社長、田尾安志氏、小林太志球団社長=7月18日、沖縄県庁
 沖縄からプロ野球参入へ-。2020年、壮大なプロジェクトが本格的にスタートする。チームの運営会社「BASE沖縄野球球団」の代表を務めるのは元DeNA投手で、引退後にビジネスマンに転身した小林太志さん。今秋以降にトライアウトで選手を集め、監督などの選定も進める。夢に向かって36歳が奮闘している。
 「野球熱が高い。これが一番ですね」。現役時代のキャンプ地くらいしかゆかりのない沖縄で球団を立ち上げた狙いを、小林さんはこう語る。高校野球が盛んで、近年はプロ野球の公式戦も開催され、西武の山川穂高ら出身選手の活躍も目立つ。
 チーム名は沖縄の美しい海を連想させる「琉球ブルーオーシャンズ」。プロ選手時代にキャンプで何度も訪れた宜野湾市に本社を構え、同じくプロ野球ヤクルトのキャンプ地の浦添市や宮古島市にも事務所を置く。スタッフは5人。親族が沖縄とゆかりがあるという楽天元監督の田尾安志氏がアドバイザーに就任した。
 小林さんは群馬県出身。立教大、JR東日本を経て2007年秋に大学生・社会人ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)に入団。「コバフト」の愛称で親しまれ、7シーズンで通算13勝を挙げた。引退後のセカンドキャリアで不動産会社に就職し、経営企画室に配属された。経営陣の仕事を身近で見る機会に恵まれ、「いつか、自分の手でビジネスをやりたい」との思いが強まった。
 このときの上司で、スポーツビジネス参入を目指していた球団の親会社「BASE」(東京都千代田区)を立ち上げた北川智哉さんから球団代表の誘いを受け、「チャンスが来た」と転身を決断したという。
 7月18日に沖縄県内で球団創設の記者会見を開き、チームロゴも発表。現在は新監督らチームスタッフの選定を進めるとともに、東京から沖縄進出を目指す企業や県内から50~100社を目標としてスポンサー集めに奔走する。東京で家族と暮らすが、週の半分程度は沖縄に滞在。地元のテレビ局が奮闘ぶりを取材するなど、注目度も高まってきた。
 当面は独立リーグを含めた特定のリーグに属さずに活動する。1年目の来シーズンは日本のプロ野球(NPB)の2、3軍や国内の独立リーグ、さらに台湾のプロ野球チームなどに声をかけて50試合程度を実施予定。選手はNPBから戦力外通告を受けた選手も含め、25~30人を集める計画だ。
 そして、将来的な目標は、日本のプロ野球(NPB)への参入。小林さんは「まずは県内から参入の声を高めたい」と地域に根ざした活動を強調する。
 チームの立ち上げは順調で、新規スタッフは募集前から問い合わせがあり、営業先の地元企業からも好感触が得られているという。とはいえ、独立リーグの球団などは厳しい経営環境での運営を強いられるケースがほとんどで、経営手腕も問われる。「強固な球団経営の基盤を確立し、県民から長く愛されるチームにしていきたい」。熱い夏、沖縄でチームの礎作りに精を出す。(運動部 田中充)