「アナスホリビリス『ひどい年だ』」

小池知事定例会見録
会見に臨む東京都の小池百合子知事=7日、東京・西新宿の都庁(大泉晋之助撮影)

《7日午後2時から都庁会見室で》

【知事冒頭発言】

 「それでは、まず、何点か私の方からお伝えいたします。4点ございます。まず、台風第21号、そして、平成30年北海道胆振東部地震に関して、一言、申し上げたく存じます。今週火曜日に台風第21号が、日本列島を縦断するように被害をあちこちに残していきました。そしてまた、昨日未明ではございますが、3時何分でしたでしょうか、北海道の胆振地方の中東部で最大震度7の地震が観測されて、大きな被害が発生したところでございます。まず、これらの災害でお亡くなりになられた方々に、心からお悔やみを申し上げ、また、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げたく存じます。昔、エリザベス女王が、あれは、ウィンザー城が燃えて、そしてまた、王室がいろいろスキャンダルに見舞われたときに、たしか、アナスホリビリスということで、『ひどい年だ』という言葉を使ったと思います。ラテン語だと思いますけど。まさしく、ここまで来ますと、アナスホリビリスというような展開でございますが、もうこれ以上ひどい年にならないようにということでございます」

 「今回の台風第21号ですが、平成5年以来の勢力と、非常に強いままで上陸した台風であります。都内でも、軽傷者や建物の一部が損壊されるなど、強風による被害が発生したところでございます。また、全国各地で死者が出て、また多くの負傷者、そして建物の被害が発生したところでございます。驚いたことに、関西空港が特に大きな被害を受けたわけでございまして、復旧には時間を要するということでございます。『羽田空港についてはどうか』というご質問がございますけれども、護岸の整備はほぼ完了しておりまして、大昔、1934年の室戸台風、それから、伊勢湾台風、1959年でありますが、その頃の過去最大クラスの台風が来た場合でも、滑走路の浸水など、空港の運用に支障を来すような高潮の被害は想定していないということでございます。それから、今回の関西国際空港における被害も検証いたしまして、今後必要に応じて対策を講じていくということでございます」

 「今回の台風に伴います強風でございますが、電線が木と接触したことなどで、関西でも、また北海道などでも広い地域で大規模な停電が発生する原因になったということでございます。無電柱化の促進条例を東京都でも、また、国においても法律をこれまで整備したところでございますが、倒壊した電柱というのは道路をふさいで、災害時の救助活動の妨げの要因となるわけでございまして、これは大阪の泉南市の、ちょうど報道で使われていた写真でございますけれども、改めて無電柱化の取組の重要性を教えてくれたのではないかと思います。いずれにいたしましても、今回、例年に比べて台風の発生が極めて多いということ、それから、全国的にもそれに伴って多くの水害が発生しているという事実。水害に備えて、的確な避難を実現する上で効果的と言われているのが、タイムラインという、何時にどうするということを、それぞれ一人ひとり、『自分のタイムラインをつくりましょう』ということで、マイタイムラインを都民の皆様にも認識していただくようにいたしますし、また、避難の判断に必要となる情報は、行政機関が早め早めに発信するということは重要でございます」

 「ということで、都といたしましても、防災ツイッターで、また、さまざまな方法で適宜最新の防災情報の発信を行ってまいります。それから、ホームページのワンストップ化を進めておりまして、都民の皆様が避難の判断に必要となりますさまざまな情報を一元的に入手できるように、ホームページ上で探すとかではなくて、まず、防災という観点で、まず入り口を一つにまとめていくということで、まさしく都民の目線でこの発信をしていく工夫をしてまいります。それから、北海道の胆振東部地震でありますけれども、大規模な土砂崩れなどが発生しております。そのほか多数の被害が発生して、現在でも救出救助活動やライフラインの復旧活動などが続いております。昨日、この地震発生後でございますが、午前9時ぐらいの段階で、救助の支援ということで、警視庁、東京消防庁の実動部隊がもう出発いたしております。昨日は、危機管理対策会議をまず開催いたしまして、被災状況の把握に努めるように指示いたしまして、そしてまた、今申し上げましたように、警視庁、そして東京消防庁の部隊を派遣いたしました。現場でいろいろな支援に当たっているところでございます。それから、被災地域から要請があった場合には、さらに都といたしましても、全国知事会などと連携の上で、速やかに必要な支援、応援をしていく所存でございます」

 「それから、北海道庁から液体ミルクの提供について要請がございましたので、関係機関と調整いたしまして、速やかに提供することといたします。そして、食料その他の物資の支援につきましても、北海道庁の要請に応じまして調整してまいりたいと考えております。都といたしまして、全国知事会と連携の上で、これらの応援もしっかり努めていきたいと思います。それから、大規模な地震の発生が続いているわけでございますが、例の、大阪北部で起こった地震の際にブロック塀が倒れて、お子さんが亡くなったという残念な事例がございました。そこで、以前もこの会見でもお伝えいたしましたけれど、東京都では都立学校と都有施設に、国産の木材を使用した塀の設置を進めておりますが、このことについては、全国知事会で国産木材の活用に関してのプロジェクトチーム、PTの設置を提案させていただき、そして、実際に設置をお認めいただいたわけであります」

 「そこで、全国知事会において、国産木材活用プロジェクトチームが正式に発足いたしております。全都道府県の9割近い41の都道府県が参加しておりまして、全国知事会PTの中でも最大規模になるということでございます。国産木材の活用は、地方経済の活性化や、そして森林再生や、いつも申し上げます治山、今回も、北海道で崖崩れなどで、保水力などの問題も指摘されるところでございますが、ひいては、地球温暖化の防止にもつながっていく、そうした点が、多くの道府県から高い関心、そして共感を持っていただいていると受け止めております。大変ありがたい反応だと思っております。今後、参加される知事の方々の意見を丁寧にお聞きしながら、国産木材の活用を積極的に推進いたしまして、都市と地方がともに持続可能となる社会の構築に向けて、成果を出していきたいと思います。『災害は忘れた頃にやってくる』と言いたいところでありますけれど、最近は忘れる前に次から次へと災害が襲いかかってくる状況であります。都におきましても、現在、風水害、そして地震への対応に向けまして、改めて防災事業の総点検を行っているところでございます。引き続き、東京の安全に万全を期してまいりたい。大阪北部地震や、連続しての台風、豪雨など、新しい状況が出てきておりますので、それらを踏まえまして、東京も首都を守っていくために必要なことは何なのか、改めて総点検を行っているところでございます」

 「次に、海外出張についてのご報告でございます。10月30日から11月4日まで、イギリスのロンドン、そしてフランスのパリに出張いたしますので、お知らせいたします。まず、イギリスに参りまして、シティ・オブ・ロンドンを訪問いたします。シティ・オブ・ロンドンというのは金融街のことです。国際金融都市東京構想の実現に向けまして、現地で金融プロモーションを行い、そしてまた、金融街の長、これをロードメイヤーと言っていますけれども、このロードメイヤー第690代、すごい歴史です。このロードメイヤーの方と面会しまして、両都市の金融分野におけます連携をさらに強化する予定といたしております。それから、友好都市でありますロンドン市でございますので、サディク・カーン市長と面会いたしまして、両都市の一層の関係強化を図ってまいります。カーン市長とは、C40の、両方副議長でございますので、気候変動対策に一緒に取り組んでいる、それと危機管理の分野での交流もございます。そして、ロンドンは2012年大会を成功させたという一つのビジネスモデルになっているわけで、ロンドンの経験から学んで、2020大会の成功につなげていきたい、このように考えております」

 「それから、同じく友好都市でありますパリ市で、アンヌ・イダルゴ市長と面会を予定いたしておりまして、一層の関係強化を図ってまいります。パリ市は、2020が東京で、その4年後が、今度はパリ大会となるわけでございます。そういうつながりもある。今回は、パリ市庁舎でシンポジウムを開催する予定といたしまして、そして、2020大会と2024大会の成功に向けまして、大会後のレガシーを見据えた、それぞれの都市の取組について意見交換を行うことといたしております。この期間には、パリ市内でパリ東京文化タンデム2018といたしまして、日本の文化を紹介する多彩なイベントを開催いたします。それから、レ・アールという駅と、その駅に直結するショッピングモールがございます。そこで、東京のPRと、2020大会のPRのブースを設置することといたしております。私もこれらを訪問いたしまして、文化、観光、環境など、東京のさまざまな魅力を、パリ市民、そしてパリを訪れる皆さんにお伝えしてまいりたいと考えております。詳細は、政策企画局にお聞きください」

 「次に、『東京国際クルーズターミナル』の開業日と、それから、最初の船が決まりましたので、そのお知らせでございます。東京2020大会と、その先を見据えまして、ホストシティにふさわしい品格ある国際都市を実現するために、世界中からお迎えする全ての方々が快適に楽しんでいただける受入環境の整備を進めているところでございます。そして、首都の玄関口となる東京港でございますので、新たに、そこに世界最大級の客船を受け入れ可能な東京国際クルーズターミナルの整備を進めているところでございます。そこで、開業日について、2020年の7月14日といたします。開業日が、ちょうど東京2020大会の直前ということで、大会の盛り上げにも弾みがつくということが期待されるところでございます」

 「開業日の記念すべき第1船が選ばれまして、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社のスペクトラム・オブ・ザ・シーズが第1船になって入港いたします。この船は、2019年4月に就航予定の全く新しい船でありまして、総トン数が約17万トンで、乗客定員が4000人以上という超大型の客船でございます。新しいターミナルに寄港した姿を見ていただければ、都民の皆様には驚きと未来の東京への期待を感じていただけるのではないかと存じます。都といたしまして、引き続き、新しいターミナルへのクルーズ客船の誘致に取り組んでまいりまして、より多くの外国からの観光客をお迎えすることで、国際観光都市東京を盛り上げていきたいと考えております。詳細は、港湾局にお聞きください」

 「最後に、『知事と語る東京フォーラム』を開催いたしますので、そのお知らせでございます。これは、都政の重要課題について、私、知事として都民の皆さんと直接語り合う場、これまでもいくつかテーマを決めてやってまいりました。毎年実施をしているものでございますが、今年はボランティアをテーマといたします。10月16日に開催いたします。このフォーラムでは、東京2020大会での大会ボランティア、そしてまた都市ボランティアの内容についてご紹介する、また、被災地支援をはじめ、さまざまな分野でボランティアの方々が活動されているわけでございまして、それらについても取り上げてまいります。当日のコメンテーターが、98年の長野大会でのボランティアコーディネーターとして活躍されました経験をお持ちの21世紀ボランティア研究センター代表、丸田藤子さん、それから、社員のボランティア活動を積極的に支援しているパナソニック株式会社 CSR・社会文化部部長、福田里香さん、バドミントンの日本代表で2度のオリンピックの出場経験をお持ちの、ご存じの潮田玲子さん、それから、タレントでボランティアとしての活動経験もおありの木下隆行さん、以上4名の方をお迎えすることといたしております」

 「東京2020大会のボランティアは、組織委員会が運営する、活動日数は10日間以上が基本となっている大会ボランティア、そして、私ども東京都が運営する都市ボランティアは活動日数が5日以上ということでございます。ですから、皆さんの状況に応じて、お選びいただけるということかと存じます。両ボランティアの皆様方には集合研修、集まって研修を受けていただく。ご案内するのに、まずいろいろと知識を知っていただくということでございまして、集合研修を実施して、交通費相当を提供させていただく。これらは、ロンドンなど過去の大会と基本的に同じ条件となっております。先ほど申し上げましたフォーラムの件でありますけれども、2020大会のボランティア以外も含めましたさまざまなボランティアの役割や魅力について意見交換いたします。会場の皆さんとも直接話をしながら、ボランティア文化の定着につなげていきたいと存じます」

 「今回も各地で災害が起こり、そしていつもそこで本当に真摯(しんし)に、全国からボランティアの方々が自分の仕事の合間とか、また、ふるさとだったりするということなどから集まっていただいているということで、ボランティアについては95年の阪神大震災から、特に定着をしてきているかと思いますが、それをさらに広く深く進めていく良いきっかけにしていきたいと思っております。詳細は、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください」

【質疑応答】

 --1カ月後に迫った市場の移転で築地市場営業権組合が都に対して認可申請の取り下げと開場の延期を求める要請書を提出した。対応は。その会見では、駐車場が不足しているん、使用料が高いとの指摘もあった

 「まず、築地市場でございますが、もう言うまでもなく、都民に生鮮食料品を安定的に供給するという行政目的を果たすためにも、都が設置した中央卸売市場でございます。お話の団体でありますが、営業権、そして、その補償についてのご主張をされているということでございます。行政上の必要に応じまして、築地市場を今回、移転をするということでございますが、その結果、築地での施設の使用許可が取り消されるといった制限が生じるということは想定され得るものでございます。そこで、判例上も、そのような立場に立っているということでございます」

 「都といたしましては、これまで事業を営んでこられた事業者の方々が、引き続き豊洲市場で事業を営んでいただける環境は整えているわけでございまして、また、移転に際しましては、融資、そして設備投資への補助など、さまざまな支援策も講じているところでございます。そしてまた、築地市場でございますが、豊洲市場への引越後に、速やかに建物などの解体工事に着手する予定といたしております。また、これは大きな規模の工事現場となるわけで、安全管理のために、引越後の10月18日以降は、工事関係者以外の立ち入り禁止ということになります。なお、電気、水道などのライフラインについても、供給は停止することとなっております。豊洲市場への移転を円滑に行っていただくよう、事業者の皆様にはお伝えしたいと考えております」

 「それから、三つ目が駐車場です。駐車場ですが、豊洲市場の方での駐車場には、築地の市場よりも約500台多い、約5100台の駐車場を整備しているところでございます。一方で、業界団体から、『駐車場が足りないんじゃないか』といった懸念やご要望などいただいているということであります。都といたしまして、豊洲市場の周辺の民有地を借り上げるとともに、さらに確保に向けて、業界団体、そして民間駐車場事業者との調整をまさに進めているところでございます」

 「料金については、使用条件やスペックが異なっているということであるならば、これまでと変更もありということでございます。いずれにしましても、開場まであと1カ月に迫ってまいりました。これまでと環境が変わるということでございます。業界団体の皆様と力を合わせながら、しっかり準備を進めていきたいと考えております」

 --調布飛行場の自家用機の飛行自粛要請について、その後の検討状況は

 「ご指摘のように、8月31日の時点で、地元の三市長の皆様方から、調布飛行場の運営に関しての要請書をいただいたところでございます。そこで、要請の内容につきまして真摯に受け止めると、前回も申し上げたとおりでございますが、引き続き、調布飛行場の管理運営には万全を期してまいるということでございます。そして、自粛要請の解除につきましては、地元市の声を含め、都として総合的に判断していくという考えでございます」

 --解除の時期は、まだ未定か

 「まさしく、判断をしてまいるというところでございます」

 --自民党の総裁選が告示された。どういう方が総理総裁に望ましいか

 「難しい質問ですね。やはり将来も、この日本という国が持続可能で、さらに世界をリードする日本であり続けるためにどうあるかという、まさにそういった政策論争が繰り広げられることを期待しております。やはり、仰いましたように、自民党の総裁選は、すなわち日本国の総理を選ぶということ、事実上の総理を選ぶことにつながりますので、その意味では、どう日本を引っ張っていかれるのか、これについて論争が繰り広げられるということを期待しております。また、その中で、東京という首都、そしてまた2020年大会が開かれるわけでありますけれども、それをきっかけに、またどうやって経済を引っ張っていくのか、それらについて具体的にお話が聞ければと思っております。やはり、これから、ちょうど日本の非常に大きな、これから跳躍をするスプリングボードとしての時期であり、また、その役目を担うべき東京をどうしていかれるのかということについては、しっかりと現実と、それから将来見つめた、そのような議論が展開されることを期待いたしております」

 --今回は、安倍首相と石破元幹事長の一騎打ちだ。6年前、知事は石破氏を支援したと記憶しているが今回、どちらの候補を支持するか

 「その前は、私自身が出ているのです。よく20人集めて、そして支援してくださったなと。あのとき5人出まして、ちょうど、途中でリーマン・ショックがあって、そして与謝野先生が、そのリーマン・ショックの対応に専念されるということで、ご体調もあったかと思いますけれども、そういう展開を迎えていたことをよく思い出します。でも、やはりあのとき、私自身、総裁選に打って出たときの政策は、今、東京都で展開している政策、ほとんどそれなのです。ですから、そういう意味では、総裁選で3位に終わりましたけれども、今その政策を東京都で実現をしているということ。そういう意味では、やはり何を訴えて、どういう方針でいくのか、それをどう実現するのかということは、お2人とも政策は明確にお持ちなわけで、そこをどう実現するのかということが、一番ポイントになるのではないかなと思っております」

 --現段階で、どちらの候補に対して思い入れがあるか

 「やはり日本の改革をしっかり進めてくださる方が、多くの国民の方が、そして守るべきは守り、そして変えるべきは変えるというメリハリ、これが国民の方、そしてまた都民の方が求めておられることではないかなと思っております。両方が、そちら主張されておられますので、あとは党員の方が選ばれるので、期待しながら見守っていきたいと思います」

 --北海道の地震では、停電が繰り返し報道されている。東京都として、停電対策は

 「今回、私が大変びっくりしましたのは、苫東の火力発電所が道内で必要な電力の供給の半分を担っていた。それだけ重要な、それも2カ所、2カ所というか、一番大きな供給をしていたところである。その分、系統が乱れることによって停止して、だからこそ、今回の全道挙げてのブラックアウトにつながった。逆に言えば、危険分散をいかにしていくかというのは極めて重要なことだと、改めて思ったところでございます。それから、私もいろいろエネルギーのことをやっておりましたときに、北海道と本州とを結ぶ北本連係というのがあるのですが、これが、風力発電の分が、余った分を北海道から送るという考え方の下で、たしか60万キロワットのところを、さらに送電の容量を上げて90万にしようという、そういうのが今工事中だと。でも、少なくとも60万は確保できているので、だから、想定は、北海道から本州へという融通が、逆に、本州から北海道へ送るということになっている。事程左様に、いろいろなリスク分散をいかに行うか。そして、では、東京で今回のようなことが起こったときにはどうなるかということで、確認もいたしております。一言で言うと、先ほどから申し上げているような、いろいろな、1カ所に固まっているとか、そういう問題点は、東京の場合は少ないということから、連鎖的に広域停電に陥るのがブラックアウトでございますけれども、その発生する可能性は低いと聞いております」

 「首都直下地震が発生した場合の停電率というのを試算いたしますと、17・6%ということで想定をしている。地域防災計画においては、この電力に関しては7日以内に回復するということといたしております。それから、電力で申し上げると、今回のような激しい台風、また地震もそうなのですけれども、電柱が倒れてしまうと、送電能力がそこで途絶えてしまうということであります。地域にもよりますけれども、地中化というのは、地域によってはむしろ、景観だけではなくて、防災の観点からも有効であると。安倍総理もそのように仰っていると聞いておりますので、そして、ましてや国の方の法律ができ、東京都ではその条例もつくっておりますので、まだまだコストはかかるし、それから、技術革新の真っただ中でございますので、今はスローな展開かもしれませんが、ある一定の時期からは、私は早く進めるべきだと思いますし、コスト削減によって、成長戦略につなげていければとも思っております」

 「そのためには、やはり都民の皆さんや国民の皆さんの意識が、よくそのことを理解していただく必要があるかと思いますので、しっかり発信にも努めていきたいと思っております。よって、今、先ほど申し上げましたように、今回も災害が続いておりますが、一つひとつのケースで、『東京だったらどうなのか』ということを、そのたびに確認し、そして、改善すべきところは、今、総点検中でございますので、それをしっかりと対応できるような策を講じていくということでございます」

 --国立競技場の避難場所確保については、今現在、どういう状況か

 「これについて、私は、課題は多いと思っております。国立競技場とはいえ、都民のお金、400億が投じられ、それは防災をタイトルにして400億ということでございます。まず、国立競技場そのものが災害に強いスタジアムとして整備するということでございますが、まだまだ詰めていかなければならない点は多いと思いますし、この400億円というのが、そもそも防災ということで一気に払うお金、かつ、国立競技場に都のお金が入るということ、いろいろな経緯もありましたけれども、確認する必要もあろうかと思っております」

 --想定している収容人数は

 「それについても、しっかりと検討を重ねていきたいと思います」

 --同じく地震関連で、札幌市内では、外国人観光客向けの案内所が閉鎖されている。都で災害が発生したときに、都としては外国人観光客をどう対応していくのか

 「これらの点については、特に外国人観光客に対して、例えば、先だって新幹線が止まったたときに、一切、中でのアナウンスメントは日本語以外なかったということなど、そしてまた、今回の北海道での課題、今、大変ありがたいことに、外国人観光客は本当に日本のいろいろなところにいらしていただいているわけであります。そういったことも含めて、東京に来られる率は高いわけでございますので、多言語のサイネージなどを徹底する。それから、SNSなどの発信もしていくなど、考えられることはしっかりと対応する必要があるかと思います。これは災害だけでなくて、2020大会に向けての準備と重なるところがございますので、両方兼ねてやっていく」

 「ただ、先ほども、東京はブラックアウトの危険性というのが低いと申し上げましたけれども、しかし、最近はQRコードで支払いが済むと、大変便利な世の中が実現しようとはしていますけれど、一方で、それが全部停電になったときには、逆に使えなくなったときどうするのかとか、今、仰いましたように、もしもというときのことを、あらゆることも想定しながら進めていくこととなります。いずれにしましても、2020大会用で進めているのは、それはすなわち災害のときにも活用できるものにしていく必要がある。要は、多言語化して、そして、かつ、一人ひとりに届くようなシステムをしっかりと構築していきたいと考えております」

 --多言語化は何カ国ぐらいを想定しているか

 「例えば、これは、先日、お伝えしたと思うのですけれども、水道局に、例えば『水道を開けてください』とか、そういったアクセスというのは、それこそ何十万件と1年間にあるのを多言語化するようにしたのですが、そのように工夫して、そして、基本的な国連の公用語まではいかないかもしれませんが、複数の言語でそれができるような、そういうシステムを使うようにいたしております。よって、海外からお越しの方の比率なども考えながら、今後しっかりと取り組んでいくことになろうかと思います。例えば、タイからのお客さまとか多いですよね。タイ語は国連公用語にはないかもしれないけれども、ニーズとして大きければ、そういったことも考えられるのではないかな。また、その項目にもよると思います「」

 --無電柱化について、都民、国民の意識を高めていく必要があるとしたが、そのためには何が必要か

 「これは、クールビズと一緒で、ネクタイしてスーツ姿で行くのが当たり前だというのが、もう意識、それをガーッと変えるときには、いろいろな工夫が必要です。やっぱり共感していただけるような情報を提供していくということは必要だと思います。特に、無電柱化のときに、都民、実際に住んでいる方々のご協力が必要なのは、その間、工事をするというので道がふさがれる。ご商売をやっておられるところは、『それは商売に響くじゃないか』というご意見が出てくる。それから、電柱に上がっているトランスが地上に下りてくる、それをどこに置くのか。うち、民有地でも活用させていただく例が最近増えてはいますけれども、そういったことを一つひとつご了解いただかないとなかなかできないということであります」

 「でも、それによって、例えば、よく使われるのが、川越の小江戸といわれる町並みが大きく変わって、そこはどうしてスムーズにいったかというと、町の人たちがそれを望んで、そして町全体で動かれたので、その事業を進める電力会社なり通信会社なりがスムーズに行えたという、それが川越の一つの良い例を残してくれているのではないかと思います。今、いくつかの無電柱のモデル地域も計画中でありますが、やはりそこも町の方々がそれでやってみようと、積極的に進められる結果、きっと道幅も広くなって、そして景観も良くなる。そういうことを、皆さんが実感していただくことが必要なのだと思います。何事も当たり前だと思っていることを一旦立ち止まって、『もっと良い方法があるんじゃないか』と考えるのは、私は、先ほどのご質問にあった、小さいものでも大きいものでも改革ではないかと思っています。現状のままで良いということで言うならば、他の国の方が、ある意味よほど大胆に改革をしているというのが各種の例に挙げられるわけでございまして、例えば、よく言われるのが女性の活躍の国際的なランキングでも、日本は今114位とどんどん下がってきて、ずるずると下がっているのが現状でありますが、なぜかというと、他の国は、それは国の力も、また女性の生きがいも両方上げることができるという考えの下で進めているから、それが少しずつ進めるのではなくて、大胆に進めているということなのではないかなと思っております。当たり前のことを変えていくというのは、ある意味大変ではありますけれども、しかしそれはしっかりと発信して、理解していただくという、そのことを積み重ねていく必要があると思っています」

 --全国の今年4月時点の待機児童数が発表になった。今後どのように対策を進まるのか

 「待機児童対策については、私が知事に就任してから一番、真っ先に取り組んだ課題であり、その成果が2年を経て、今如実に成果は出てきていると思います。ただ、事の本質といたしまして、そうやって待機児童対策を行うことによって、1人目から2人目、2人目から3人目というように、お子さんの数が増えていくということもございます。そしてまた、それによって、働きながら子育てもという、普通の国では当たり前にやっていることが各地で可能になってくるということは、私は喜ばしいことであると思っております。これから都民の皆さんからの提案なども受けまして、予算案の編成に入っていくわけでありますけれども、どのようにしてこれまでの対策によりプラスアルファを付けていくのか。また、それが予算的にはどうなのかなど、総合的に判断していきたいと思っております」

 「今、東京都でも有効求人倍率は、分野によっても違いますけれども、かなりいろいろなところで女性の活躍の認識が非常に高まっているわけであります。考えてみれば、女性の厚生年金の話なども、昔は、あまり長く勤めてもらわずに、早く、促して辞めていくというのが、昔は風潮だったと思いますし、また、女性は掛け捨てみたいな形になってしまっているというようなこともかつてはありました。つまり、女性は、もうどんどん入れ替わってもらうのが当たり前みたいな風潮から、今はどうやって勤めていた人が、いったん育休に入って戻ってくれるかということに腐心しているというのが企業。ですから、そういう企業のニーズや、また育休を確保するために競争倍率の高いところをわざわざお選びになるというようなことも、多分朝日新聞さんが書いておられたのではないかなと思いますけれども、そういう、ある意味切実な女性の声もしっかりと聞いていきながら、効果のある、そしてまた、女性の側からも、家族の側からも、育てやすい、そして仕事のしやすい、そういった方策を見出だしていきたいと思っております」

 --施設はできつつあるが保育士人材の確保が課題になっている

 「それについては、これまでのチルミルという制度とか、それからベビーシッターをもっと活用していく、今そのためのさまざまな準備もしているところでございますので、その効果の方は、また近々表れるということを期待いたしているところでございます。働き方も、子育ての仕方も、生き方もそれぞれ人によって、また家族によって異なる、多様性のあるものだと思いますので、いろいろな選択肢が選べるような方法を考えていきたいと思っております」