「ボルグそっくり!」と話題のスベリル・グドナソン 自分でも「やばい、ビヨンだ…」

映画「ボルグ/マッケンロー」
「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」でボルグを演じたスベリル・グドナソンは本人の〝お墨付き〟

 プロテニス界で伝説の試合といわれる1980年ウィンブルドン男子単決勝を描いた劇映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」が公開中だ。ジョン・マッケンロー(米国)と死闘を演じる当時世界ランク1位のビヨン・ボルグ(スウェーデン)を演じたスベリル・グドナソン(39)が「よく似ている」と話題になっている。同じスウェーデン出身のグドナソンはボルグ本人から「自分とそっくり」とお墨付きをもらったことを明かした。

 これまで自分の容姿について「ボルグに似ているとは思ったことはないし、周りの人に言われたこともなかった」とグドナソン。「でも役作りを始めたころに鏡を見て『やばい、ビヨンだ…』と思うくらい似ていた」と笑顔を見せる。どうやって似せていったのか。「外見だけでなく瞳の動かし方、歩き方、それからしゃべり方がとても重要。インタビューや記録映像、実際の試合映像などを見られるだけ見てパズルを組み合わせるように役作りをしていった」

 その中で特に重要だったのは「ボルグの内なる部分」と明かす。「ボルグはずっと無表情だけど、目の奥でいろいろな感情が揺れ動いているのが分かる。瞳の奥の嵐みたいなもの。それをきちんと自分で掘り下げて表現できるかがカギだった」

 テニスの経験が全くなかった。トレーナーと毎日2時間テニスの特訓をして、食事は栄養面を気遣いながら1日7回。半年間の肉体改造で見事ボルグが“完成”した。1980年の試合ではボールに飛び付いて転倒するマッケンローといった名場面が多いが、死闘に決着がついたボルグが崩れるようにコートにへたり込む姿はテニスファンの脳裏に今も焼き付いている。映画で完璧に再現したグドナソンは「僕にとってもあのシーンを再現することはとても重要だった」と語る。「ひざをつくあの瞬間は『俺は生き残ったんだ!』と思っていたと思う。『勝った!』ではなくて『生き延びた!』と」

 その直後のボルグのたたずまいが一番のお気に入りだ。「(コート上の)椅子に座っていろいろな人がお祝いを言いに来るシーンがすごく好き。勝ててうれしいという気持ちと同時に、負けなくて本当にほっとしている彼がうかがえて面白い」。メガホンをとったヤヌス・メッツ監督とは「恐怖心」についてかなり話し合った。「テニス選手として負けることへの恐怖心。役者という仕事も恐怖と向き合いながら戦っているので重ねることができた」

 映画では冷静沈着なボルグも、少年時代はマッケンローに負けず劣らずの問題児だったことが描かれる。この2人をどう見ているのか。「カッとなりやすい“悪童”マッケンロー対氷の男“アイス”ボルグと言われるくらい相反するところがありながら、似ているところがある。お互いのことも一番理解できたんじゃないかな」 

 実際にボルグと対面したのは昨年9月にストックホルムで行われたプレミア上映のときだった。「プレミア上映まで会わないと決めていた。地に足のついているすてきな人柄で、映画もすごく気に入ってくれてとてもうれしかった。この映画を『素晴らしい』と一番思ってほしかったのがボルグだったからね」

(WEB編集チーム 伊藤徳裕)