銚子電鉄「まずい棒」が爆売れ!初期生産3万本完売、大増産のヒミツ - 産経ニュース

銚子電鉄「まずい棒」が爆売れ!初期生産3万本完売、大増産のヒミツ

「まずい棒」のパッケージ。車掌のイラストは銚子電鉄の竹本勝紀社長がモデルだという(同社提供)
売れ行き絶好調の「まずい棒」。犬吠駅の売店では「完売!御礼」の札を掲げ入荷待ち状態が続く=千葉県銚子市(城之内和義撮影)
発売以来飛ぶように売れ、品切れ状態が続く「まずい棒」(銚子電鉄提供)
「まずい…もう一本!」を合い言葉に、「まずい棒」の大ヒットを狙う銚子電鉄の竹本勝紀社長(同社提供)
 千葉県銚子市のローカル鉄道「銚子電鉄(銚電)」が8月3日に発売したスナック菓子「まずい棒」が爆発的に売れている。初期生産分の3万本は25日までに完売。予想以上の売れ行きに15万本の増産を決めたが生産が間に合わず、現在は入荷待ちの状態だ。
 当初は原材料に「牛のよだれ」と書くなど、本当にまずいものをつくろうという案もあったというが、「経営がまずい」というストレートな意味合いを際立たせるため、むしろおいしいコーンポタージュ味に仕上げた。ホラーな雰囲気を出そうとパッケージのイラストにある著名漫画家を起用するなど、遊び心も満載の“爆売れお菓子”は9月7日に販売が再開される予定だ。
 まずい棒は1本50円。発売したのは「ぬれ煎餅」のヒットで注目を集めた銚子電鉄で、「経営がまずいので」という自虐的なネーミングで発売前から話題を呼んだ。
 同社によると、まずい棒は千葉県内のスナック菓子製造会社に生産を依頼している。発売に合わせて初回は3万本を注文。発売日の8月3日は1万5000本を入荷し、犬吠駅(銚子市犬吠埼)と土産品直売店「ぬれ煎餅駅」(同市小浜町)で販売したところ、24時間以内に売り切れた。その後、8日に7000本、18日に5000本、25日には残り3000本を販売し、いずれも即完売となった。
 竹本勝紀社長(56)は「この夏は猛暑で、ぬれ煎餅の売り上げが落ちたが、まずい棒のおかげでカバーすることができた」と話す。「18日は犬吠駅前に200人の行列ができた。ぬれ煎餅駅も開店以来、ここまで駐車場が埋まったことがないほどで、他の商品もごっっそりと売れた」と、ほくほく顔だ。
 ユニークな仕掛けが満載のまずい棒。パッケージのイラストでは銚電おなじみのライトグリーンの電車が「マズいです! 経営状況が…」と涙目で訴え、その車輪は炎に包まれた「火の車」になっている。
 車掌姿のキャラクターは、その名も「まずえもん(魔図衛門)」。「まずい」という言葉に反応して魔界からやって来る異星人で、銚電ファンという設定だ。ネット上では、このキャラがお笑いコンビ「中川家」の中川礼二さんに似ていると話題になっている。
 まずえもんの正体に関して、竹本社長は包み隠さず教えてくれた。
 「実は私の写真をモチーフにして、ホラー漫画家の日野(ひの)日出志(ひでし)先生が描いてくれたんです。日野先生は『ドラえもん』のホラーバージョン『銅羅衛門(どらえもん)』を描いたことがあるのですが、これは原作者の承諾を得たパロディー漫画。その日野先生が、まずえもんを描いているのです」
 まずい棒は、銚電が毎夏走らせている「お化け屋敷電車」の企画・演出を担当している怪談蒐集(しゅうしゅう)家、寺井広樹さんの提案で生まれた。
 少し気になるのは、まずい棒とは正反対の意味の有名なスナック菓子との関係だが、竹本社長は「『うまい棒』に対するリスペクトを前提としたオリジナル商品という複雑な位置づけなんです。もともとはまがい物なので、ここまで大きなブームになるとは思いませんでしたが…」と明かす。
 発売から1カ月がたち、竹本社長は「まずい棒で銚子電鉄のことを知ったという人も多い。どうにかこうにかして銚子に来ていただくのが私たちの切なる願い。電車に乗って、まずい棒やぬれ煎餅を買っていただくという点でまずは成功したかなという感じです」と手応えを語る。
 9月7日の販売再開に向けて、15万本を追加発注した。今後は毎週2万本を入荷できる態勢を整える。1日からはネット販売の受け付けも始めた。
 竹本社長は「こうしたブームはすぐに沈静化してしまうおそれがある。この秋はCM動画の配信や通信販売などネットを駆使したマーケティングに力を入れ、この勢いを維持していきたい」と話している。(城之内和義)