日本ハムの東大出身ルーキー・宮台康平 “51年ぶり”先発から見えた収穫と課題

プロ野球通信
東大出身者として51年ぶりに先発登板した日本ハム・宮台康平=8月23日、東京ドーム(福島範和撮影)

 プロ野球の1軍の先発マウンドに、東大出身の投手がほぼ半世紀ぶりに足を踏み入れた。8月23日に行われたソフトバンク戦で、プロ初登板初先発を果たした日本ハムのドラフト7位、宮台康平投手(23)。東大出身者としては1967年の井手峻(中日)以来、51年ぶりの先発登板となったマウンドで、左腕は五回途中2失点で1軍デビューを飾った。「まずはしっかりと投げ切れた」と手応えを口にした宮台だが、プロ初登板から見えた収穫と課題を検証した。

チェンジアップに切れ

 「プロのマウンドは雰囲気がすごかった。自分への応援も聞こえ、安打を打たれたら、相手の声援が聞こえる。こういうところで投げるのがプロなんだと思った」

 3万9千人を超える観衆を集めた東京ドーム。マウンドに立った宮台は、スタンドから伝わるファンの熱気を肌で感じ取っていた。プロ初登板の相手は、昨年のリーグ覇者であるソフトバンク。一回から、左腕に試練が訪れた。

 2四死球で1死一、二塁のピンチを招いたが、5番松田宣を三振に仕留めて無失点で切り抜けた。ただ、プロの世界はやはり甘くない。二回は2死一塁から9番西田、1番牧原に連続適時打を浴びて2点を献上。この回限りで降板かと思われたが、左腕はここから粘りを発揮した。

 自らも「チェンジアップがよかった」と振り返ったように、打者のタイミングを外すこの変化球がこの日はさえた。三回以降も走者を背負う投球が続いたが、無失点に。五回に2死一、二塁のピンチを招いたところで2番手・鍵谷にマウンドを託したが、吉井投手コーチは「今後も期待できると思う」と及第点を与えた。

「制球難」克服を

 死球を恐れないマウンド度胸、チェンジアップの切れには目を見張るものがあった。ただ、この日の宮台の投球からは明確な「課題」も浮き彫りになった。

 「抜けるボールが多かった」と本人も反省したように制球は安定感を欠き、与えた四死球は6個。球数も五回途中で降板するまでに91球を数えた。初登板の緊張を差し引いても、制球難が目についた。

 チームはこの日、2-6で敗戦。宮台自身に勝ち負けはつかなかった。試合後、栗山監督は左腕の投球を叱責することはなかった。「いろんなことを考えながら、しっかりと投げていたと思う。勝たせてあげたかった」と評価し、今後も登板機会を与えることを示唆した。

 宮台を除き、東大からプロ入りを果たした選手は過去に5人いる(いずれも投手経験者)。勝利数は通算で新治伸治(大洋、現DeNA)が9勝、井手が1勝を挙げているが、井手が1967年に救援で勝利を挙げて以来、東大出身投手の白星は遠ざかっているのが現実だ。

 「次は結果を求めて、初回から自分のいいボールを投げたい」。試合後、宮台はそう前を見据えた。グラウンドに立てば、学歴は関係ない。実力主義のプロの世界で生き抜くすべを、左腕は必死に追い求めていく。(運動部 浅野英介)