いま評価高まる「ウルトラマンレオ」 命懸けの撮影だった? 出演者が明かす44年前の裏話 - 産経ニュース

いま評価高まる「ウルトラマンレオ」 命懸けの撮影だった? 出演者が明かす44年前の裏話

昭和のウルトラマンシリーズの中でも異彩を放つ「ウルトラマンレオ」(C)円谷プロ
「ウルトラマンレオ」の一場面。おゝとりゲン(右、真夏竜)とモロボシ・ダン隊長(森次晃嗣)(C)円谷プロ
「ウルトラマンレオ」の一場面。おゝとりゲン(左、真夏竜)とモロボシ・ダン隊長(森次晃嗣)(C)円谷プロ
「ウルトラマンレオ」に出演した森次晃嗣(左)と真夏竜。今もファンが憧れるヒーローだ(兼松康撮影)
「ウルトラマンレオ」のイベントで。ウルトラマンレオ(前列右)と当時の出演者らがポーズ。(後列右左から)冨永みーな、真夏竜、森次晃嗣。後列左は、平成ウルトラシリーズを手がける坂本浩一監督=8月16日、東京都豊島区(兼松康撮影)
 昭和の「ウルトラマンシリーズ」で異彩を放つのが「ウルトラマンレオ」(昭和49年)。放送から45周年を前に、平成シリーズの監督が新作を撮りたいと発言するなど、再評価の声が上がり始めている。
異色異彩を
 ウルトラマンレオは、ふるさとの獅子座L77星をマグマ星人に滅ぼされ、おゝとりゲンとして地球に身を潜めていた。だが、地球もついにマグマ星人に襲われる。宇宙パトロール隊MAC(マック)のモロボシ・ダン隊長が、ウルトラセブンに変身して戦うが負傷。レオはセブンを救うが、ダンはセブンへの変身能力を失う。レオはセブンに代って地球を守る決意をし、ダンはゲンの特訓を始める。
 異色の作品だった。M78星雲出身のウルトラ兄弟たちとは出自が異なる。全体に格闘色が強く、スポ根ものに通ずる特訓シーンが続いた。
 「帰ってきたウルトラマン」(46年)から毎年新作が放送された「昭和第2期ウルトラマンシリーズ」の4作目だが視聴率はふるわず、結果的に「レオ」をもってシリーズの放送はいったん終了した。
恐怖のジープ
 「今なら、あんな撮影はできないよね」
 口をそろえて撮影当時を振り返るのは、おゝとりゲンを演じた俳優、真夏(まなつ)竜(68)と、モロボシ・ダン役の俳優、森次晃嗣(75)だ。
 2人が思い出しているのは、ダン隊長が特訓のためゲンをジープで追い回した場面。
 「撮影で使ったのが中古のジープだったからブレーキが甘かった。急ブレーキをかけても6メートルは進んでしまう。実際に私の脚にバンパーが当たっていた」と真夏は恐怖を振り返る。
 「つまずいて転んだりしたらひかれちゃうわけだから、新人だったけど、監督に抗議したよ」
 監督は「うん分かった。はい、本番!」と一顧だにしない。鬼気迫る真夏の表情が放送されたが、「あれは芝居じゃない。本気で目が血走っていた」と苦笑する。
2人はほのぼの
 「当時、芝居に関しては素人みたいなもんでしたから、かなり迷惑をかけたと思うけど、それも覚えていないほどですね」
 真夏は、デビューしたて。森次は、「ウルトラセブン」を経て映画やドラマで活躍していた。
 森次は「迷惑なんてことはなかったよ。最初は、色が浅黒いし、当時はやっていた(カンフー俳優の)ブルース・リーに似て精悍(せいかん)な雰囲気があった。『こういうウルトラマンがいてもいいな』と思った」という。
 厳しい特訓の場面が続いたドラマだったが、森次が「どうもお先~。ゲン~、頑張ってな~」と声をかけるなど、2人の関係は朗らかでほのぼのとしたムードに包まれていたという。
似た時代
 放送当時、視聴率に苦戦したレオだが、近年人気が再燃している。ドラマ「ウルトラマンメビウス」(平成18年)や映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」にゲスト出演。放送時は特訓を受ける側だったレオが、新世代のウルトラマンの師匠の立場で登場した。
 森次は、「『レオ』には、今の時代にはないような師弟愛があった。今、厳しく叱る、叱られることへの憧れがあるんじゃないかな。そういう部分に現代は物足りなさがあるのかもしれない」とレオ人気再燃の理由を分析する。
 真夏は「今と放送当時の社会情勢が似ている」と指摘する。「得体の知れない不安があったり、異常気象だったりするでしょう」
 平成ウルトラマンシリーズを手がける坂本浩一監督は、「僕の一番の願いは、新作のレオを作ること」と明かした。8月16日に東京都内で開かれたイベント「ウルトラマンフェスティバル」で語った。
 真夏は「デビュー当時の作品に目を輝かせてもらえる役者っていないよね」と相好を崩す。
 「ファンの愛を裏切らないでいることが大切」。これからも、ゲンとしての思いを持ち続けていくと誓う。(文化部 兼松康)
 「ウルトラマンレオ」のブルーレイボックスが12月21日に発売される。放送された全51話を収録。ほかインタビューなどの特典映像も。