【リーダーの素顔】大阪北部地震、西日本豪雨…「保険の力で顧客を守る使命感を改めて実感」 東京海上日動火災保険の北沢利文社長 - 産経ニュース

【リーダーの素顔】大阪北部地震、西日本豪雨…「保険の力で顧客を守る使命感を改めて実感」 東京海上日動火災保険の北沢利文社長

新たなリスクへの対応も見据える東京海上日動火災保険の北沢利文社長=東京都千代田区(宮川浩和撮影)
新たなリスクへの対応も見据える東京海上日動火災保険の北沢利文社長=東京都千代田区(宮川浩和撮影)
 大阪北部地震、西日本豪雨と大規模災害が相次ぐ中、損害保険各社が迅速な被害調査や保険金支払いなどの被災者支援に奔走している。損保最大手の東京海上日動火災保険もあらゆる日常業務に優先して対応。北沢利文社長(64)は「保険の力で顧客を守る使命感を改めて実感した」と語る。
 --今回の災害に損保トップとしてどう向き合ったか
 「いずれも即座に災害対策本部を設置し、本部長として陣頭指揮を執った。被災地にも入り、現地の社員や全国各地から動員した多くの社員らが損害調査などのために連日走り回るのを激励してきた。彼らは顧客を訪問して喜んでもらうことで、保険がいかに顧客にとって重要かを身に染みて感じたと思う」
 --災害時にこそ、損保会社としての真価が問われる
 「被災者が立ち直るときに保険金は確かな支えになるし、私たちはできる限り早く保険金をお支払いして顧客にもう一度、前に向かって歩いてもらうのが使命だ。あらかじめ決まっている会社の災害時対応だけで判断できないこともあるが、顧客の役に立つという軸を失わなければ、自ら主体的に考え、一番素早い行動ができる。これが今回の社員らの迅速な対応にもつながったと思う」
 --自身も災害に関わる仕事を長く経験してきた
 「災害が生涯の仕事のテーマだ。入社時は仙台支店に配属されたが、翌年に宮城県沖地震が起きた。当時の地震保険は保険金も少額で限られた方の役にしか立てず、悔しかった。その後商品開発部に異動し、偶然だが火災保険と地震保険の担当になった。自然災害時にしっかりと保険金を支払い、顧客に安心してもらいたいとの一心で、保険内容の充実に取り組んできた」
 --これまでの経験を通じ培った信念や経営哲学は
 「パートナーの代理店と一緒になって大災害から国民の命の財産、仕事を守ることだ。商品は支払保険金額が増えるなど進化してきた。災害に保険で備える重要性を顧客にしっかり伝えることも大事だし、予防や被害拡大防止の分野での取り組みも災害に強い日本につながると思っている」
 --人口減などで国内市場の成長は見込みにくいが、どうかじ取りするか
 「自然災害は甚大化し、サイバー攻撃など新たなリスクも増えている。こうしたリスクに対し、われわれがしっかりと商品を提供すれば、国内も成長の余地はかなりあると思っている」
 【趣味】出張時も含めて常にカメラを持ち歩く。撮影のほか、自ら編集・加工までこなし、色彩を鮮やかにしたり、人物の映りを際立たせたりとこだわりも。
 【休日】自宅の近くに畑を借り、早朝と夕方に家庭菜園で汗を流す。仕事の気分転換で始めたというが、今や、耕運機を2台所有し、二十数種類の野菜を栽培するほど。
 【性格】好奇心旺盛で、プラス志向。あまり落ち込むことはないのだとか。
 【座右の銘】孟子の言葉の「至誠、天に通ず」。どんなに難しいことにも、常に誠実を尽くせば必ず思いは通じると、若手社員にも言い聞かせている。(経済本部 万福博之)
 北沢利文氏(きたざわ・としふみ)昭和28年11月18日生まれ。東大経済学部卒。52年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。東京海上日動あんしん生命保険社長などを経て平成28年から現職。長野県出身。