(553)両陛下、開拓地の農家とご交流 皇太子ご一家、ご静養で海水浴

皇室ウイークリー
大日向開拓地の野菜畑を散策される天皇、皇后両陛下=23日、長野県軽井沢町

 天皇、皇后両陛下は22日から長野県軽井沢町で静養に入られた。27日まで滞在した後、群馬県草津町に移り、29日に帰京される。

 23日には、戦後に中国の旧満州から引き揚げてきた人たちが入植した軽井沢町の大(おお)日(ひ)向(なた)開拓地を訪れ、野菜畑をご散策。レタスの生育状況や周囲の野草などを見て回り、天皇陛下はサニーレタスを収穫していた農家の土屋正人さんに「これだけ多いと大変でしょう」と声をかけられた。皇太子さまが小学生時代、夏休みに土屋さんの畑を見学されたことがあるといい、皇后さまは「子供たちが小さい時にいろいろ教えていただいて」と謝意を伝えられていた。

 両陛下は旧満州に開拓のため送り出され、肉親を失うなどし、帰国後も苦労を重ねた人々を気にかけ、引き揚げ者が戦後に入植した地域をたびたび訪問されている。側近によると、両陛下は散策に先立ち、昭和天皇が昭和22年の戦後の全国巡幸で大日向地区を訪れたことを詠んだ歌碑にも立ち寄られたという。

 20日、両陛下は東京大学安田講堂(東京都文京区)を訪れ、国際生産工学アカデミー第68回総会の開会式に臨席し、主催者や来賓による英語のあいさつに聞き入って拍手を送られた。陛下は学術奨励のため平成7年から国際学会に臨席してきたが、来年4月30日の譲位を控え、今回が最後の機会となられた。

 国際生産工学アカデミーは戦後の復興を進めるため、生産工学の研究者が集まって昭和26年に設立。両陛下は開会式後のレセプションにも顔を出し、陛下は参加者に専門分野などを聞いた上で「大事な分野ですね」「よい大会になるように願っています」と声をかけられていた。

 皇太子ご一家は21日、静養先の須崎御用邸(静岡県下田市)から帰京された。須崎での静養は毎夏の恒例で、今年は16日からご滞在。16日に御用邸近くの海岸を散策した際、長女の敬(としの)宮(みや)愛子さまは報道陣の問いかけに「海で泳ぐのが楽しみです」と話していたが、宮内庁によると、ご一家は例年通り海水浴などを楽しみ、水入らずの時間を過ごされたという。

 宮内庁は20日、来年10月22日に皇居・宮殿で行われる「即(そく)位(い)礼(れい)正(せい)殿(でん)の儀」で皇太子さまが新天皇として即位を宣言される舞台となる「高(たか)御(み)座(くら)」と、新皇后となる皇太子妃雅子さまが立たれる「御(み)帳(ちょう)台(だい)」を東京に移送するのを前に、保管先の京都御所(京都市)紫(し)宸(しん)殿(でん)で、報道陣に解体作業を公開した。

 この日は、高御座の装飾の金具類が外された骨組みの状態から、朱色の欄干や階段部分を撤去。欄干を取り外す際には、作業員らがドライバーでナットを外し、木づちで打って接続部を緩め、長さ約5メートルの部品を持ち上げた。

 宮内庁によると、高御座と御帳台は、それぞれ大正時代に製作され、合わせて約3千の部品からなるという。6月から移送のための準備に取りかかり、修復箇所の確認と組み立て作業の修練のため、解体と組み立てを2回行い、3度目の解体後に梱包(こんぽう)し、9月中に都内へ陸送する。

 宮内庁は、高御座と御帳台の搬送、修理のため平成30年度予算に約5億円を計上。東京に移送後、漆の塗り直しや金具の修復などを行い、来年9月ごろ、儀式が行われる宮殿「松の間」で最後の組み立て作業に入る見込み。

 日本アマチュアオーケストラ連盟の総裁を務める高円宮妃久子さまは18日、高知市を訪れ、全国アマチュアオーケストラフェスティバルの公式レセプションなどにご臨席。19日に同フェスティバルのコンサートを鑑賞された。

 【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、病気療養中の雅子さまのご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

 また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している扶桑社の季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。