【侍ジャパン通信】東京五輪の対戦方式決定 山中正竹強化本部長「良いか悪いかは…」 - 産経ニュース

【侍ジャパン通信】東京五輪の対戦方式決定 山中正竹強化本部長「良いか悪いかは…」

日本代表の稲葉篤紀監督=京セラドーム大阪(撮影・長尾みなみ)
トークショーを行った山中正竹氏(右)=野球殿堂博物館
トークショーを行った山中正竹氏=野球殿堂博物館
 2020年東京五輪の開幕まで2年を切った。正式種目に復帰した野球は、日程や試合方式も決まり、金メダル獲得に向けた戦略がより具体化できるようになった。野球日本代表の侍ジャパン強化本部長を務める山中正竹氏は先月下旬、野球殿堂博物館でトークショーを行い、稲葉篤紀監督誕生や試合方式の決定に至るまでの経緯を語った。
 東京五輪の試合方式をめぐっては、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は少しでも試合数を増やして競技の魅力をアピールするため、1次リーグで出場6チームによる総当たり戦を要望。これに対し、大会組織委側はコスト面などから2組に分けて実施することを主張してきた。調整の結果、6チームを2組に分けた1次リーグ後、敗者復活戦のある変則トーナメントを実施する方式が採用された。
 この点について、山中氏は「日本ではなじみはないが、海外ではよくある方式。日本と海外には感覚の違いがある」と指摘。日本は高校野球のように、一戦一戦勝ち上がったチームがチャンピオンという部分に美しさを感じるのに対し、海外は、多くの試合をして本当に強いチームが一番になるべきだという考えが強い-と解説した。
 そのうえで、「日本がうまくいけば『あれで良かった』となる。この方式が良いか悪いかを話すのは、結果を見ないと難しい」と話した。
 山中氏はまた、東京五輪に向けての代表監督決定までの経緯にも言及した。
 人選が動き出したのは2017年3月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)終了後の侍ジャパン強化委員会から。当初は監督候補リストには約130人が並んでいたといい、同委員会で副委員長を務めていた山中氏は「五輪は特殊な短期決戦。横浜スタジアムで暑い中での戦いになる。誰にお願いをするか、何度も何度も協議を重ねた」と明かした。
 WBCや五輪の歴代監督へのヒアリングを行うことを決めたが、質問事項は戦い方のアドバイス、監督をやってみて困ったこと、周辺の必要なサポートなど十数項目に及んだ。
 ヒアリング中には「誰を監督に推薦するか」という質問は一切、しなかったが「(歴代監督から)名前は出てきた」。挙がったのは、ベテランや若手、現役監督など様々だったという。
 最終的に決まった稲葉監督は法大監督時代の教え子。「優しい男。プレーヤーとしての能力は非常に高かったが、それを100%出し切れていなかった。私自身にもどかしさもあった」と振り返る。
 教え子はその後、ヤクルトなどで活躍したプロ生活で大きく成長。「当時、ヤクルトの監督を務めていた野村克也氏ら良いリーダーの元で学んだことが、今の姿に結びついたと思う。最終的に稲葉監督に決定したことに反対していない」と語った。
 来秋には世界ランキング上位12カ国・地域が出場する「プレミア12」が開催され、代表国の一部が決定するなど五輪への動きが本格化する。「東京五輪の野球を通して、日本はもとより世界に野球の素晴らしさを発信していきたい」と力を込めた。(運動部 神田さやか)