ソルトンセサミ “ごま塩の髪の乙女たち”が社会活動家にエール 歌手の中尾ミエさんら4人でチーム - 産経ニュース

ソルトンセサミ “ごま塩の髪の乙女たち”が社会活動家にエール 歌手の中尾ミエさんら4人でチーム

「ソルトンセサミ」の4人。加藤タキさん、小室知子さん、中尾ミエさん、飯野晴子さん(左から)(長田朋子撮影)
ソルトンセサミのメンバーは今年、福島県富岡町で残された動物の世話を続ける松村直登さん(右から2人目)の元を訪れ、支援先に決めた
支援先の一つである三本木農業高校(青森県十和田市)の生徒(前列)と、ソルトンセサミのメンバー(後列)
支援先の一つ、三本木農業高校(青森県十和田市)の「命の花プロジェクト」。ソルトンセサミの4人は、殺処分された犬猫の骨を砕きながら、活動を担う高校生の話に耳を傾けた
しゃんと伸びた背筋にハイヒール。ソルトンセサミはかっこいい70代(長田朋子撮影)
チャリティー・パーティーでは、17人編成のビッグバンドによる演奏も(長田朋子撮影)
 グレーヘア(白髪)がトレードマークの女性4人組「チーム ソルトン セサミ」をご存じだろうか。歌手の中尾ミエさん(72)、国際コーディネーターの加藤タキさん(73)、元イッセイミヤケ副社長の小室知子さん(77)、PRプロデューサーの飯野晴子さん(74)という“オーバー70”の4人によるチャリティー活動グループだ。酷暑もなんのその、9月に開くチャリティー・パーティーの準備にパワー全開だ。
社会に恩返しを
 「70を超えると大変なのよ」(飯野さん)と言いながら、支援先に赴き、東京では啓発のためのパーティーを開いている。もう10年になる。
 ソルトンの結成は、平成19年。それぞれの分野の第一線で半世紀近く活躍し、「これからはささやかながらも社会に恩返しを」と考えていた4人。仕事などで顔を合わせた際、自然と「人生これから、何かやらない?」という話になった。タイミングと思いが一致し、共通点のごま塩の髪の色を、英語に変換。ソルトンセサミをチーム名にした。
1人では何もできないけれど
 活動の軸は、1~2年に一度、4人が「応援したい」と共感した社会活動家のために、都内でチャリティー・パーティーを開き、支援団体の活動を伝え、寄付を募ること。
 4人の友人・知人を500人も招く大規模のパーティーだ。「けっこう大変なんですよ」(中尾さん)と言うが、「でこぼこと、“特技”が違う4人が補い合っている」(小室さん)。
 世間の情報に通じた小室さんが寄付先候補を選び、司会やDJ経験がある加藤さんがパーティーの総合司会。広告ウーマンだった飯野さんは会場となるホテルと交渉し、招待客へのお土産を用意。そして中尾さんは「私はショー担当よ」と、それぞれのキャリアを生かして役割を分担している。
 「1人では何もできないけれど、4人集まれば、何か、身の丈に合った社会貢献ができるんじゃない?」(加藤さん)と始まった活動だが、リタイアしていた元バンドマン17人がボランティアのビッグバンドを結成しパーティーをもり立てたり、小室さんの長女でイベントプロデューサーの登子(とおこ)さんが裏方として支えたり、輪も広がっている。
自ら体験
 これまで7個人・団体を支援。もっとも大切にしているのは支援先とその活動を、パーティーの招待客と彼らの先につながっている社会に紹介すること。支援先を決める際は、必ず4人で対象となる個人・団体を複数回訪ね、何が課題かを実際に見聞きする。さらに、自らその活動に参加する。
 パーティーでは対象の個人・団体を招いてスピーチしてもらい、4人も実際に見たこと、感じたことを語る。
 28年の支援先は、殺処分された犬猫の骨を肥料に変え、その土に花を咲かせ、殺処分ゼロを訴える活動を続ける青森県立三本木農業高校(同県十和田市)の「命の花プロジェクト」だった。
 「4人で高校に行ってね、殺処分された犬や猫の骨をレンガでたたいて粉々にしました。4人とも涙ボロボロでした」(小室さん)
 そんな活動をより深く知ってもらうため、そのときのパーティーでは円卓中央に「命の花」の骨のまじった土を盛りつけた。大胆な演出だったが、「そんな忖度(そんたく)はしないの」(飯野さん)。「会場のお客さんに活動する高校生の信念を伝えたかったし、伝わったと感じた」(中尾さん)という。
しぶとい私たち
 7回目のチャリティー・パーティーを9月に開く。支援するのは、松村直登(なおと)さんに決めた。東京電力福島第1原発事故で避難指示が出された後も福島県富岡町(現在は帰還困難区域を除き避難指示解除)の自宅にとどまり、動物の世話を続けている。松村さんの活動を紹介するパーティー当日に向け、準備にいそしんでいる。
 「いつ、誰が欠けるかって毎年話すけれど、いつまでも元気ね。しぶとい私たち」。小室さんが笑うと、飯野さんが「人生は100年って決まったらしいわよ」と返す。
 「じゃあ、自分たちのできる範囲で…」と中尾さんが言えば、「楽しく、でも少しは何らか社会のお役に立ちたいよね、って言いながらやっていきましょう!」と加藤さんが後を引き取る。息がぴったりのソルトンセサミなのだ。(文化部 津川綾子)