【プロ野球通信】盛り上がる甲子園の陰で… 30歳の斎藤佑樹、正念場の夏 - 産経ニュース

【プロ野球通信】盛り上がる甲子園の陰で… 30歳の斎藤佑樹、正念場の夏

早実のエースとして2006年夏の甲子園を制した斎藤。汗をぬぐう姿から「ハンカチ王子」と呼ばれた
2006年夏の甲子園で、駒大苫小牧との決勝再試合を制し、ガッツポーズする早実の斎藤=8月21日、甲子園
6月12日の阪神戦に登板した日本ハムの斎藤。4回7失点だった=札幌ドーム(野口隆史撮影)
6月12日の阪神戦の四回、中谷に本塁打を浴びた日本ハム・斎藤。正念場を迎えている=札幌ドーム(村本聡撮影)
 今年で100回目を迎えた全国高校野球選手権大会が熱戦を繰り広げる中、かつては早稲田実高のエースとして夏の甲子園を沸かせた日本ハムの斎藤佑樹投手(30)が今季、1軍で未勝利のままだ。盛り上がる甲子園の陰で、6月に30歳となった右腕が正念場を迎えている。
7年間で通算15勝
 2006年夏。12年前の甲子園の中心にいたのは、まぎれもなく斎藤だった。
 決勝戦で田中将大(現大リーグ、ヤンキース)を擁する駒大苫小牧との再試合の熱戦を制し、全国制覇を達成。ユニホームのポケットに入れたハンカチで汗をぬぐう姿も話題になった「ハンカチ王子」は、またたく間に国民的ヒーローになった。
 その後は早大を経て2011年、ドラフト1位で日本ハムに入団し、1年目に6勝。2年目には開幕戦で完投勝利を挙げ、「“持っている”のではなく、背負っています」とお立ち台で威勢良く語ったが、その年に右肩を損傷するなど試練が続いた。昨季までの7年間で通算15勝。プロでの成績にはどうしても物足りなさが残る。
 「テーマはシンプルに『結果を出す』こと」。今季の開幕前にそう話していた斎藤は、三冠王を獲得した松中信彦氏(ソフトバンク)らの個人トレーナーを務めてきたケビン山崎氏とともに、肉体強化に取り組んできた。今年1月に報道陣に公開した自主トレーニングの際には、最新鋭の器具を使って汗を流し、飛躍への手応えをにじませていた。
引退平均年齢は29・4歳
 しかし、入団から8年目を迎えた今季も、斎藤には厳しい現実が突きつけられている。
 今季初登板となった4月7日のロッテ戦(東京ドーム)では、8四死球と制球が定まらずに四回途中1失点で降板。2度目の登板となった6月12日の阪神戦(札幌ドーム)でも4回7失点と結果を残せなかった。
 日本野球機構(NPB)が実施した調査によると、2017年に引退した日本人選手126人の平均年齢は29・4歳。平均在籍年数は8・1年という厳しい数字が明らかになった。「ハンカチ王子」も30歳。同世代には「現役引退」「戦力外通告」に直面している選手もいる。結果がすべてのプロ野球選手にとっては避けて通れない厳しい「現実」が、右腕にも確実にしのび寄っている。
 ただ、8月以降はレギュラーシーズンの中でも連戦が続く時期。現在は2軍での調整が続いている斎藤にも、状況によっては登板機会が巡ってくることも予想される。
 「1試合でも多く投げられるように、必死で投げたい」。斎藤はシーズン前、今季にかける不退転の決意を語っていた。夏の甲子園で“レジェンド”になった右腕は、12年前の輝きを再び取り戻すことができるか-。(運動部 浅野英介)