2020年東京五輪・パラリンピックまで2年 新国立、競技会場の建設現場公開ルポ 徐々に全貌…炎天下の大会、カギは暑さ対策 - 産経ニュース

2020年東京五輪・パラリンピックまで2年 新国立、競技会場の建設現場公開ルポ 徐々に全貌…炎天下の大会、カギは暑さ対策

建設途中のカヌー・スラローム会場=7月17日、東京都江戸川区(納冨康撮影)
建設途中のカヌー・スラローム会場。後方は葛西臨海公園の観覧車=7月17日、東京都江戸川区(納冨康撮影)
建設途中のカヌー・スラローム会場=7月17日午前、東京都江戸川区(納冨康撮影)
建設途中の海の森水上競技場=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の海の森水上競技場 右後方はフィニッシュタワー=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の海の森水上競技場のフィニッシュタワー=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の海の森水上競技場=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の有明アリーナ 左はメインアリーナ 右はサブアリーナ=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の有明アリーナ(メインアリーナ)=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中のオリンピックアクアティクスセンター 今後屋根は引き上げられる=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中のオリンピックアクアティクスセンター=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
建設途中の選手村=7月17日、東京都中央区(納冨康撮影)
建設が続く選手村=7月17日、東京都中央区(納冨康撮影)
クレーンが立ち並ぶ建設途中の選手村=7月17日、東京都中央区(納冨康撮影)
建設が進むカヌー・スラローム会場=7月17日、東京都江戸川区(納冨康撮影)
建設途中のオリンピックアクアティクスセンターの屋根で作業を行う工事関係者ら=7月17日、東京都江東区(納冨康撮影)
順調に工事が進む新国立競技場 来秋に完成予定=7月18日、東京都渋谷区(寺河内美奈撮影)
新国立競技場の建設では屋根工事が進み、競技場の姿が現れ始めていた=7月18日、東京都新宿区 (寺河内美奈撮影)
 2020年東京五輪・パラリンピックを2年後に控え、メーンスタジアムとなる新国立競技場や4つの競技会場、選手村の建設現場が7月17、18日の両日、報道陣に公開された。20~40%の工事進捗率という各会場は徐々に全貌が明らかになりつつあり、準備が加速していることを伺わせる。ただ、真夏の炎天下で公開されたこともあり、参加した報道陣は疲労困憊。2年後の暑さ対策が改めて大きな課題となることを、身をもって体感した。(社会部 大泉晋之助)
周辺環境に配慮の新競技場
 作業の休憩時間を利用して、7月18日の正午前から公開された新国立競技場。東京都新宿区と渋谷区をまたいで建設されている東京大会の“顔”は、工期や費用などの問題から当初案が白紙になり、新たな案で平成28年11月にようやく建設が始まるという紆余曲折があった。完成予定は来年11月だ。
 目玉となる国産木材を用いた屋根は、完成時の建物の高さとなる地上約50メートル地点での設置が始まっていた。今年2月に始まった屋根の工事は来年5月中旬に終了予定という。屋根工事の本格化にあわせ、約2千人の作業員を約3千~3500人に増員するという。
 報道陣に紛れて取材をしていた建築士は「すごくよく作ってある」と感心した様子。特に“抜け感”を意識したとみられる外観を評価していて「周辺環境に配慮し、重い印象を与えないよう工夫されている」と話す。建設事業を担う日本スポーツ振興センター(JSC)は「国民に馴染みがある名称」として、完成後の呼称を「国立競技場」にすることを明らかにした。
競技会場の工事も順調
 新国立競技場公開に先立つ7月17日には、東京都がカヌー・スラローム会場(江戸川区)、ボート、カヌー・スプリント会場「海の森水上競技場」(都内臨海部)、バレーボール会場「有明アリーナ」(江東区)、水泳会場「オリンピック・アクアティクスセンター」(江東区)の新規4競技会場と選手村(中央区)を公開した。
 カヌー・スラローム会場は、セメントで固められたコースの全容を把握することができた。コース内を徒歩で移動しながら、ふと「競技が行われない期間は流れるプールとして解放すれば東京五輪のレガシーとして子供たちに喜ばれるのでは」などと記者が口走ると担当者は困惑顔で「水質など、さまざまな基準の違いがあり、プール使用は無理なんです」とやんわり否定した。
 海の森水上競技場、有明アリーナ、オリンピックアクアティクスセンターは、一昨年、小池百合子知事の方針で、会場見直しの対象になったことは記憶に新しい。仮設施設を増やすなどの仕様変更の末、いずれも着工に至ったわけだが、計画段階から関わってきた都の担当者も、順調な工事の進捗に満足げだ。
 ただ、東京湾沿いで建設が進む海の森水上競技場は、見学時、強い風が吹き付けていた。水面も随分波打って見える。風や水面の状況で競技が左右されるため、一部のボート関係者からは、「会場として適当ではない」との指摘があったことも事実だ。防風林などで強風対策が進むほか、今後の工事で水門も設置されるため「ボート競技に支障が出ることはない」(担当者)としており、一部関係者の懸念が杞憂に終わることを願いたい。
暑さ対策が成功を左右
 有明アリーナはスタンドの様子などが確認できるようになってきていた。また、オリンピックアクアティクスセンターは地上で組たれられた約6千トンの屋根が完成し、7月中に3段階目のつり上げ作業を行う予定で、地上37メートルの高さに達する。
 14~18階建ての21棟が並ぶことになる選手村。大会後は内装を変更して一般住宅として販売、賃貸される予定となっていて、商業施設なども併設した1つの街になる。かなりの高さまで建物が完成しており、五輪レジェンドたちが利用したマンション群は湾岸地域のランドマークになるかもしれない。
 一方、2日間を通じて35度近くまで上がった酷暑の東京。建設現場には飲み物のほかかき氷器も設置されるなど、作業員の暑さ対策が施されていた。見学中、汗がひっきりなしにしたたり、真夏の五輪に向けた暑さ対策は、成功を左右するかもしれないと思わせる。
 また、最も近い駅から徒歩約15分という立地の会場もあり、会場周辺も含めた対策の具体化が待たれるところだ。