もがく国民民主党は会期アディショナルタイム生かせるか? 「独自色」は野党連携に水、支持率1%割れ

野党ウオッチ
党首討論を終え、安倍晋三首相(右)と握手する国民民主党の玉木雄一郎共同代表=5月30日、衆院第1委員室(宮崎瑞穂撮影)

 国民民主党が党勢拡大に向けて試行錯誤を重ねている。「脱・抵抗野党」を旗印に、立憲民主党の抵抗路線と一線を画することで存在感を高めようとしているが、結党1カ月で支持率は1%を切ってしまった。国会で独自色を発揮すればするほど、野党連携に水を差すとの指摘を受けるジレンマも抱え、難しいかじ取りを迫られている。

 「働く仲間の皆さんの立場に立って新しい日本を作り上げていく。これができるのは国民民主党だ!」

 結党1カ月を迎えた今月7日、東京・JR新橋駅前で玉木雄一郎共同代表(49)は仕事帰りのサラリーマンやOLたちに、こう熱く訴えかけた。大塚耕平共同代表(58)も駆け付け「私たちが政権を預かるときは、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を皆さんに届けることを約束する」と述べ、政権交代実現へ意欲を示した。

 国民民主党は毎週木曜日に都内で街頭演説を行い、党名や政策の浸透を図っている。国会では存在感をアピールしようと独自色発揮を試みている。

 例えば「原則、審議拒否しない」。玉木氏は結党当初にこう宣言し、国会論戦を通じてさまざまな追及にあたる姿勢を打ち出した。インターネット番組で共演した日本維新の会創設者、橋下徹前大阪市長(48)の提案が発端だが、今のところ有言実行を果たしている。

 ただ、立憲民主党や国民民主党などは20日、国会会期が7月22日まで延長が決まったことに反発し、衆参両院で新たな日程協議には応じない姿勢を示した。今後の対応に注目が集まる。

 「乱闘国会からの決別」も取り組みの一つだ。「乱闘」とは、法案の採決時に委員長からマイクを取り上げたり、読み上げる紙を奪ったりする妨害行為を指す。国民民主党はこれに参加しないよう意識統一を図っている。

 衆院内閣委員会で15日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案が採決された際、野党議員が委員長席を取り囲んでもみくちゃになり、速記原本が一部破れる事態が発生した。衆院議院運営委員会の古屋圭司委員長(65)=自民=は19日の理事会で「こういったことが二度とないよう、厳に慎んでもらうことを各会派に徹底いただきたい」と注意を促した。

 この一件について、国民民主党の泉健太国対委員長(43)は記者会見で「ああいった委員長席での攻防戦は、多くの国民が求めている姿ではないので参加しなかった」と強調した。その後、記者団に「一緒くたに『野党』とすると事実誤認ではないか」と述べ、乱闘国会を主導する立憲民主党議員らと区別して報道するよう求め、強いこだわりを見せた。

 他党との違いをはっきりと印象づけたのは5月30日の党首討論だった。立憲民主党の枝野幸男代表(54)や共産党の志位和夫委員長(63)が「モリ・カケ問題」の追及に終始したのとは対照的に、玉木氏は日米通商問題や北方領土問題を取り上げた。安倍晋三首相(63)も政策論議を歓迎し、討論後は玉木氏と握手を交わした。

 ただ、違いを強調しすぎるのもよくないらしい。

 ある国民民主党幹部は、玉木氏が首相と握手したことを問題視し、“握手禁止令”を出した。「首相から握手を求められたら断れないから、質疑が終わったらすぐ部屋を出るべきだ。『自民党の補完勢力』とみられてしまう」とのことで、かなり神経をとがらせている。

 幹部の懸念は的中したようだ。朝日新聞は6月8日付朝刊で「国民民主、じわり自民接近」との見出しで、独自路線が野党連携の障害になるとの見方が出てきていると報じた。毎日新聞も同日付朝刊で「スタンスが中途半端」と語る党内議員の不満を紹介した。

 批判されても支持率に反映されれば報われるのだが、その数字を見ると、低迷打開とはいかないようだ。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が今月16、17両日に行った合同世論調査では、国民民主党の支持率は0・8%にとどまり、初登場だった前回調査(5月19、20日)の1・0%を下回った。誤差の範囲とも言えるが、党勢回復の兆しがなかなか見えてこないのが実情だ。

 玉木氏は18日の記者会見で、支持率の伸び悩みについて「大型国政選挙を経験していないので、なかなか上がりにくい」と釈明した。その上で「これから行われる各種選挙において全力で一人一人を当選させていく。これが最大の支持率アップ、党勢拡大につながるのではないか」と力を込めた。

 ただ、確実に訪れる次の大型国政選挙の参院選までは、あと1年近くしかない。まずは会期延長というアディショナルタイムで存在感を発揮し、浮上のきっかけをつかみたいところだろうが、果たしていかに-。 (政治部 広池慶一)