それは青アザから始まった…「オバQ」といわれた25歳被害女性、歯をペンチで折られた暴行の実態

衝撃事件の核心
両容疑者と被害者女性が同居していた容疑者宅=千葉県酒々井町ふじき野(白杉有紗撮影)

 千葉県酒々井(しすい)町の自宅で同居していた無職の女性(25)に熱湯をかけたり、ペンチで歯を折るなどの暴行を2カ月以上にわたって加えていたとして、自称会社員の高村良容疑者(28)と、内縁の妻で自称自営業の小倉実里容疑者(27)が傷害容疑で県警佐倉署に逮捕された。小倉容疑者は女性が以前働いていたエステ店の元上司で、家庭の事情で住む場所に困っていた女性を同居させていた。2人は「熱湯をかけた覚えはない」「道具は使用していない」などと、容疑を一部否認しているという。

 逮捕容疑は3月初旬から5月18日までの間、自宅でペンチを用いて女性の歯を折ったり、顔に熱湯をかけるなどの暴行を加えたとしている。女性は全身に打撲の痕ややけどがあり、重傷だった。

 18日に自宅近くのコンビニエンスストアの女性店員が「3カ月前から顔などを腫らした女性がいる」と交番に通報。女性は「怖くて逃げることができなかった」と話しているという。

 近隣住民によると、両容疑者と女性が閑静な住宅街にある容疑者宅に越してきたのは3月初旬。この家は昨秋までは別の人が住んでいたといい、持ち家が多い同地区では珍しく、借家だったとみられる。

 越してきた当初は容疑者2人で近所に挨拶回りをするなど、愛想も良かったというが、しばらくすると毎晩7~8時くらいに「ぎゃー」という叫び声がしたり、罵声を浴びせる声と「はいっ」と答える女性の声が家から聞こえるようになったと近所の人は話す。

 容疑者宅の窓のシャッターは常に閉め切った状態になり、この頃から被害者女性が足を引きずってごみ捨て場まで歩く姿や、雨の日に傘をさして自宅前で座り込んでいる姿が目撃されるようになった。女性は顔のあざを隠すように白塗りに真っ赤な口紅という厚化粧で外を出歩くことが多くなり、近所では「『オバQ』のような女性がいる」と噂になっていたという。

 交番に通報したコンビニには、ほぼ毎日のように朝昼晩3回来店しており、公共料金の支払いをしたり、一人分の食事を買ってイートインスペースで食べる姿が目撃されている。

 3カ月ほど前にコンビニに通い始めた頃には、顔に青あざがあったり唇が切れている程度のけがだったが、次第に歯が抜けたり、顔がバスケットボール大くらいに腫れ上がるなど、けがの程度がエスカレート。店員が「暴力を受けているのではないか」と声を掛けても「転んでしまった」などとごまかしていた女性だが、5月18日には暴力を受けていることを認めたため、店員が交番に届け出た。

 捜査関係者によると、女性はマインドコントロールをされているような状態で、保護された当初は「私が悪い」と話していたというが、保護から2、3日が経過してカウンセリングなども受けると「実は殴られていた」と暴行されていた事実を徐々に話すようになった。

 これを受け、同署は5月28日に両容疑者を逮捕。調べに対して両容疑者は暴行を加えた理由について「約束を守らないから」などと話しているという。

 同署は両容疑者が理由を付けては毎日のように女性に暴行を加えていたとみており、6月15日に昨年中の傷害容疑で両容疑者を再逮捕。慎重に裏付け捜査を進めている。(千葉総局 白杉有紗)