【野党ウオッチ】新党「国民民主党」の無残な船出 合流前より低い「支持率1%」の惨状 - 産経ニュース

【野党ウオッチ】新党「国民民主党」の無残な船出 合流前より低い「支持率1%」の惨状

国民民主党を結党後、初めての街頭演説に臨んだ大塚耕平(左)、玉木雄一郎両共同代表。大塚氏は「支持率に一喜一憂しない」と述べたが…=14日午後、東京・有楽町
衆院予算委員会で安倍晋三首相に質問する国民民主党の玉木雄一郎共同代表。加計学園問題の追及など新党結成前と代わらない質問内容だった=14日、衆院第1委員室(春名中撮影)
新党「国民民主党」を旗揚げし、記者会見で握手する共同代表の玉木雄一郎氏(左)と大塚耕平氏=7日午後、東京都内のホテル
国民民主党設立大会で気勢を上げる新共同代表の大塚耕平(前列右)、玉木雄一郎両氏(同左)ら=7日午後、東京都千代田区平河町(斎藤良雄撮影)
 民進党と希望の党による新党「国民民主党」が7日、結成された。両党所属議員107人全員の合流を目指したが、ふたを開けてみれば新党参加者は衆院39人、参院23人の計62人にとどまった。最新の世論調査では、党支持率1%というなんとも残念な結果となり満身創痍の船出となった。いったいこの党はいつまでもつのか。そんな声すら聞こえてくる。
 「いい政党ができた! いい仲間が集まった! そして党内の雰囲気がすごく明るい!」
 玉木雄一郎共同代表(49)は14日午後、JR有楽町駅前の広場で行った結党後初めての街頭演説で、こう声を張り上げて支持を訴えた。玉木氏と並んで街頭に立った大塚耕平共同代表(58)も「新しいチャレンジに60人以上の仲間が集まってくれたと感動している」と語った。
 だが、厳しい船出であることは明らかだ。ある党幹部は「新党参加者が予想以上に少なかった。本当は80人で新党をスタートしたかった」と漏らす。想定を下回った理由は、1月の民進、希望両党の統一会派交渉が決裂したことで結党時期が遅れたことに加え、立憲民主党による引き抜き工作が行われたことが原因と分析する。新党が野党第一党に届かなかった上に、党内にまだ離党予備軍がいることから、今後さらに勢力が縮小する可能性がある。
 有権者の視線も冷ややかだ。
 共同通信が5月12、13両日に実施した世論調査によると、国民民主党の支持率は1・1%だった。立憲民主党は前回調査より1・4ポイント増の13・3%となった。
 合流前の4月調査で希望の党は1・7%、民進党は1・1%だった。単純計算で2・8%あったわけだが、合流により半分以下になった。
 NHKが11~13日に実施した世論調査でも国民民主党の支持率は1・1%だった。合流前の4月調査は民進党1・4%、希望の党0・3%で、足すと1・7%だった。国民民主党は合流により議員数どころか支持率も減らしたことになる。
 JNNが今月12、13両日に行った世論調査では「国民民主党に期待しますか、期待しませんか」との問いに対し「期待しない」が75%で、「期待する」の15%を大きく上回った。
 無理もない。昨年の衆院選から半年余りでほぼ元の鞘に戻り、しかも通常国会の最中の合流劇に国民の理解が得られるはずがない。「国民を第一に考える国民政党」(玉木氏)を目指す方針とは裏腹に、国民不在で新党構想を進めた代償は大きい。
 新党に参加しなかった議員もほめられたものではない。2月の民進党大会で「新党移行」方針を全会一致で決めたはずだが、結党直前になって離党者が続出した。
 衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表(64)は記者会見で「私自身とは、大きな固まりをつくるための手順が違う」と主張し、離党した。無所属の会が中心となって取り組んでいた、立憲民主党との統一会派の実現の兆しが一向に見られなかったことについて問われると「無所属の会だけが立憲民主党との統一会派を目指したのではなく、党を挙げて取り組んだはずだ」と弁明した。
 国民民主党関係者によれば、無所属の会は、会派所属の離党者に“手切れ金”を支払うよう要求してきたが、党幹部は「払うわけがない」と突っぱねたという。
 今後、国民民主党が党勢拡大を図るためには、政権のスキャンダルを執拗に追及する旧態依然の立憲民主党と一線を画すのも一つの方法だろう。
 玉木氏は「原則、審議拒否はしない」との方針を示した。官僚を相手に政府を追及する野党合同ヒアリングについても見直す動きが出ている。出席議員が官僚を叱責したりする場面が目立ち、“公開パワハラ”との批判が出てきているからだ。
 大塚氏は今月9日の一部非公開の党会合で、立憲民主党を念頭に「あまり偏った野党では政権には絶対に近づけない。ずっと野党でいる気なら、どうぞあちらに行ってください、という感じだ」と述べた。立憲民主党との差別化を図らなければ「政権を担いうる政党」(大塚氏)になることは難しい。そんな思いからの発言に思えた。
 ところが、大塚氏は10日の記者会見で、この発言を報じた記事に関し「枝野幸男代表もご気分を害しておられると申し訳ないので、今朝電話をして『こういう報道になりましたことをおわび申し上げます』とお伝えした」と説明。「枝野氏とゴールデンウイーク中に食事した」とも語り、親密さをアピールした。
 他党の代表を忖度(そんたく)する大塚氏の姿勢には党幹部も「大塚氏は正論を言っただけだから堂々としていたらいい。枝野氏に謝罪する必要もないし、わざわざ記者会見で言う必要もない」と首をかしげた。
 がけっぷちの現状を打開するためには、まずは野党間で切磋琢磨(せっさたくま)する必要がありそうだ。 (政治部 広池慶一)