新興企業志向からみえるトレンド

プロが指南 就活の極意
リクルートスーツの学生であふれた合同企業説明会の会場=3月1日、大阪市住之江(前川純一郎撮影)

 5月に入ると多くの企業から選考結果が通知され、一喜一憂している学生は多いと思います。倍率が100倍を超える大手企業を中心に就職活動を進めている学生は、企業の持ち駒が減少していく状況に疑心暗鬼に陥っているのではないでしょうか。

 毎年、恒例となっている人気企業ランキングを見ると、今も昔も変わらず、メガバンクや総合商社、総合広告代理店などが上位に名を連ねています。しかし、近年、インターネット系の企業を志望する学生が増えています。中でも新興企業を進んで志望する学生が増えています。言い方は悪いですが、一昔前までは中堅大学やそれ以下の学生が大手志向の就活に失敗した末に受けるのが新興企業でした。ですが、近年は東大や京大などの難関国立大や、慶応大や早稲田大などの難関私立大出身者が、積極的に新興企業を受け、自ら入社の道を選んでいるのです。今回は2例ご紹介します。

 【東大生の塾生Aくん】

 「就職活動を始めた当初は、周りと同じように大手企業への就職を考えていました。しかし、OB訪問をしていく中で、何となく仕事に取り組んでいる人や覇気のない人がたくさんいて、本当に大手企業に行くという選択が正しいのか疑問を持つようになりました。そんな中、たまたま参加したベンチャー企業の説明会で出会った社員の人たちが、人生をかけて仕事をしているように感じ、ベンチャー企業への志望度が一気に高くなりました」

 【早稲田大生の塾生Bくん】

 「高校や大学受験など、今までは世間一般のモノサシで将来の選択をしてきたのですが、それには何となく違和感を覚えていました。仕事選びでは客観的なモノサシではなく、自分独自のモノサシで選びたいと考えたときに、行き着いたのがベンチャー企業でした」

 今の時代、潰れるとは想像もできなかった金融機関が潰れたり、大手電機メーカーが経営危機に陥ったりしているため、大手企業であっても、危機意識を持たなければいけないことは確かです。ベンチャー企業では、危機意識を持つだけでなく、一人一人が戦力とならなければ生き残っていけません。戦力外の社員を抱えておくような余裕はベンチャー会社にはないからです。そういった意味で、ベンチャー企業には自分の持っている能力の百パーセントを出さざるを得ない状況があります。そのため、そういう中で仕事をしている経営者や社員たちがとても輝いてみえ、学生たちの志望度を上げさせているのでしょう。今後、難関国立大や私立大の学生がこぞって新興企業に就職したり、自ら起業したりする時代が、近い未来やってくるかもしれません。(「内定塾」講師 齋藤弘透)

 ここ十数年で新卒の就職活動も大きく変化してきました。今年は特に変化の年になります!新卒の就職活動は、世の経済状況や世相を反映しやすく、年によって状況が異なります。東京、名古屋、大阪の主要都市を中心に全国12校舎を持つ、就活塾・予備校最大手の「内定塾」講師が週替わりで、就活事情の最前線をご紹介します。

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