立憲民主党 セクハラ問題で財務省追及もスネに傷 身内に甘い?

野党ウオッチ
財務事務次官のセクハラ問題を受け「#MeToo」と書かれた紙を手に財務省に向かう野党議員ら=20日、東京・霞が関

 財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ問題が国会を揺るがしている。立憲民主党など野党6党は麻生太郎財務相(77)の辞任などを求め、国会審議を拒否する一方、合同ヒアリングを連日開き、財務省への追及を強めている。ただ立憲民主党はセクハラ問題を起こした議員を抱える。その議員には資格停止処分などにとどめており、麻生氏らの辞任を求める一方で身内のスキャンダルには甘いとの批判も出ている。

 「福田次官の本日中の処分と謝罪を求めたい。本日中に処分しなければ明日の閣議で辞任が認められる。そうなると退職金が満額出る。それが許されるのか」

 23日、国会内で開かれた財務省のセクハラ問題に関する野党合同ヒアリングで、立憲民主党の尾辻かな子衆院議員(43)が口火を切った。福田氏の辞任が24日の閣議で認められれば、福田氏には約5300万円にも上るとされる退職金が支払われる。「それでは国民は納得できない」として閣議で辞任が認められる前に福田氏を懲戒処分にするよう財務省側に迫ったのだ。

 野党側はセクハラ問題発覚後、頻繁に合同ヒアリングを開いて福田氏や財務省の対応を厳しく追及している。セクハラ問題と森友学園問題で事務次官と国税庁長官がともに辞任し、不在という異常事態を招いた麻生氏の辞任を要求し、安倍晋三政権を退陣に追い込みたい考えだ。

 しかし、野党第一党の立憲民主党は麻生氏や福田氏にクビを迫る一方で、自らの党に所属するセクハラ問題を起こした議員には相対的に甘い処分で事態の収拾を図ろうとしているように見える。

 立憲民主党公認で初当選した青山雅幸衆院議員(56)=比例東海=は昨年10月、女性元秘書からセクハラ被害を週刊誌に告発された。これを受け、同党は青山氏を無期限の党員資格停止処分とした。青山氏は今年2月に記者会見し、元秘書の女性と和解が成立したことを明らかにしたが、東海地方の女性地方議員らが青山氏の辞職を求めて署名活動を実施。今月11日には署名簿を同党に提出した。

 しかし、対応した西村智奈美・ジェンダー平等推進本部長(51)は、被害者と和解が成立していることや、すでに処分を下していることから「対応は難しい」と述べるにとどまった。

 同じく立憲民主党の初鹿明博衆院議員(49)=比例東京=は昨年11月、支援者の女性にキスを迫るなどのわいせつ行為の疑惑を週刊誌に報じられた。これを受け党執行部は初鹿氏に6カ月間の役職停止処分を下した。初鹿氏には民進党時代の平成28年末、女性を強引にラブホテルに連れこもうとしたことをこれまた週刊誌に報じられ、党青年局長を辞任したこともあった。

 立憲民主党は青山、初鹿両氏とも資格停止処分にとどめているのだ。仮にも同じセクハラ問題で福田氏の処分や麻生氏の辞任を迫るのであれば、身内の議員にも議員辞職を促すくらいの厳しい対応があってしかるべきではないだろうか。

 さらに同党は昨年末、山尾志桜里衆院議員(43)を迎え入れた。不倫で衆院議員を辞職した自民党の宮崎謙介氏(37)を公然と批判しながら、自身の不倫疑惑に対しては「むき出しの好奇心」(神奈川新聞のインタビュー)などと答えた山尾氏は、いまだに十分な説明責任を果たしていない。財務省への追及姿勢と党所属議員への対応はまさにダブルスタンダード(二重基準)であり、これでは身内に甘いとのそしりは免れない。

 もちろん財務省のセクハラ問題に関して事実解明と関係者の責任追及に野党として取り組むべきであることはいうまでもない。

 ただ、自らのスネに傷を抱えたまま、一方ではヒアリングの場で財務省職員に批判を浴びせたり、「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げ黒服姿で財務省に“突撃”したりする姿が国民の目にはどう映るのか、今一度思い起こしてみた方がいいのではないだろうか。 (政治部 小沢慶太)