「特捜9」田口浩正

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俳優の田口浩正さん(斎藤良雄撮影)

帰ってきた「9係」

 「警視庁捜査一課9係」の面々が新メンバーを加えて帰ってきた。井ノ原快彦演じる浅輪直樹が、新しく立ち上げられた「特別捜査班」のメンバー集めに奔走し、真っ先に加わった元9係の矢沢英明を演じる。

 「(以前からの)共演者5人の気持ちは全く変わらないんですよ」

 「…9係」は、昨年3月に亡くなった渡瀬恒彦が演じた加納倫太郎係長の下、浅輪や矢沢、小宮山志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、村瀬健吾(津田寛治)の面々が12シーズンにわたって活躍してきた。タイトルが改まった今回、寺尾聰が演じる班長・宗方朔太郎、若手刑事の新藤亮(山田裕貴)も加わった。

 「長くやってきたドラマに(新たな面々が)入ってきたことで、僕らも新しいものにしようという思いや緊張感が生まれて相乗効果が出る」

 役者の大先輩である寺尾は現場でも常に気さくだという。「台本の読み方ひとつにしても、『後ろから読んでみるのも面白いんじゃないの』と新たな見方を教えてくれる」と感謝する。一方の山田の演じる役は、「野心もありつつ、熱いものもあるキャラクター。これまで最年少だった浅輪がようやくタメ口を利ける相手が出てきたね」と笑う。

 「同じキャラクターで13年。現場でもプライベートでもみんなのことがよく分かって、ドラマでの距離感も分かる。衣装を着てその場に立てば矢沢になれる」と、役への思い入れは深い。毎年、1年の4分の1を「9係」のメンバーと過ごしてきただけに「撮影の合間も、みんな控室に戻らない。(撮影セット隣の)前室でみんなでご飯を食べ、くだらない話をし、次のシーンに『こういう遊びを入れたいよね』と話したり」というのが常だ。「渡瀬さんが作ってきた現場で、スタッフとのコミュニケーションも取れているから」と亡き“係長”に思いをはせる。

 特に組むことの多い青柳役の吹越とは、「スピンオフをやりたいね、と。ずっと尾行してても犯人が最後まで捕まらないとか、そういうのも面白いよね、と話をしている」と明かす。「特捜9ならでは、9係だからできることを目指したいですね」と、13年目のシーズンにさらなる意欲を示した。(文化部 兼松康)

 ●テレビ朝日系 毎週水曜午後9時~

 たぐち・ひろまさ 昭和42年生まれ。福岡県出身。63年に劇団「PROJECT TENSION」を結成。平成元年に、小浦一優(芋洗坂係長)とともに「テンション」を結成し、お笑いコンビとして活躍。同年の映画「ファンシィダンス」(周防正行監督)で役者として本格活動を開始。周防監督作品にはその後も「シコふんじゃった。」や「Shall weダンス?」に出演している。