【田村秀男のお金は知っている】財務省ならぬ「経理省」が国民を貧しくする ひたすらつじつま合わせに熱中… - 産経ニュース

【田村秀男のお金は知っている】財務省ならぬ「経理省」が国民を貧しくする ひたすらつじつま合わせに熱中…

財務省は誰のために何を守っているのか
 学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる決裁文書(「森友文書」)の改竄(かいざん)に続いて、学園側に対する財務官僚の嘘の口裏合わせ依頼が明らかになった。知り合いのある財務官僚元幹部が「ウーン、財務省は経理省なのか」とうなった。(夕刊フジ)
 財務官僚の文書改竄や口裏合わせ工作は「自分は間違うはずがない」という無謬(むびゅう)神話に浸りきっているエリート官僚特有のなせるわざである。それは数字のつじつま合わせに苦心する経理担当者とも言えようか。
 財務官僚の特異な財政の考え方は、財政健全化=財政均衡=支出削減・増税だ。何しろ一般会計と特別会計の純合計が国内総生産(GDP)の約4割にも上る財政を扱う。算術方式は小学生の算数で済むが、複雑かつ多岐にわたる項目を処理しなければならないから、確かに最も優秀な頭脳を持つエリートが取り組むのに値するのだろう。
 算数で国家経済の最大部門を考えるとどうなるか。財政収支を均衡させるためのつじつま合わせのやり方は、まず歳出を切りまくる。それでも財源が足りないと税収を増やすしかないが、税収は景気次第だから官僚の手に負えない。となると、増税しかない。手っ取り早いのはまんべんなく徴収でき、しかも景気変動にほとんど影響されない消費税の税率引き上げだ。こうした経理の考え方で財政政策を決めるのが財務官僚である。
 足し算、引き算、掛け算によるつじつま合わせは、家計簿の考え方に近い。
 財務官僚の思考方式は家計簿と取っ組む主婦同然になるといえば、叱られるかもしれないが、論より証拠。財務省のホームページを見ればよい。
 国の財政を家計に例え、一家計のローン残高5397万円に相当すると、堂々と論じている。
 経済学の常識と企業財務の知識があれば、ただちにこれがフェイクであると見抜かれるはずなのに、各紙とも財務官僚のブリーフィングを真に受けて、「国民1人当たり約858万円の借金を抱えている計算になる」と財政赤字を報じてきた。
 国民は金融機関経由で政府債務の国債という資産を持ち、運用している。それを国民の借金だと言い張るのは、詐欺師だ。日本以外の世界にそんな国民をバカにしたエリート官僚がいるのだろうか。
 もっと恐ろしいのは、財務本来の考え方が欠如している点だ。財務とは負債の部と資産の部を基本にしている、経済は貸し手と借り手で成り立つ。借り手がいないと国は成長できない。国民は豊かになれない。デフレ日本は家計に加えて企業もカネを貯めて借りない。となると家計が豊かになるためには、政府に貸すしかない。
 政府が借金を減らすなら、貸し手の家計は為替リスクのある海外に貸すしかなくなり、円高で損する。増税で家計から所得を奪うなら、やはり家計は貧しくなる。
 「経理省」に化した財務省は債務が国民全体を豊かにする真理が眼中になく、ひたすら予算書のつじつま合わせに熱中する。文書改竄も経理官僚の延長なのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)