【衝撃事件の核心】横断道239キロで爆走「動画シリーズ化も考えた」 県警が景色で場所特定し執念の摘発 - 産経ニュース

【衝撃事件の核心】横断道239キロで爆走「動画シリーズ化も考えた」 県警が景色で場所特定し執念の摘発

男性会社員が時速279キロで走行した大型バイク「トライアンフ デイトナ675SE」=3月23日、千葉市稲毛区の県警高速隊(永田岳彦撮影)
男が時速279キロで走行した大型バイク「トライアンフ デイトナ675SE」。機材を使用してメーターを撮影していた=23日、千葉市稲毛区の県警高速隊(永田岳彦撮影)■■キャプション■■男性会社員が時速279キロで走行した大型バイク「トライアンフ デイトナ675SE」。機材を使用してメーターを撮影していた=3月23日、千葉市稲毛区の県警高速隊(永田岳彦撮影)
男性会社員が時速279キロで走行した大型バイク「トライアンフ デイトナ675SE」=3月23日、千葉市稲毛区の県警高速隊(永田岳彦撮影)
書類送検された男性会社員の投稿動画にあった時速279キロを記録したメーターの画像データと撮影に使用した機材=3月23日、千葉市稲毛区の県警高速隊(永田岳彦撮影)
 千葉県木更津市から東京湾を横断して神奈川県川崎市に至る高速道路「東京湾アクアライン」を時速239キロで走行したとして、千葉県柏市の男性会社員(33)が道交法違反(速度超過)の疑いで千葉地検に書類送検された。国内で過去最高速度での摘発となった“爆走”の動機は、捜査関係者があきれかえるほど身勝手なものだった。(※3月31日の記事を再掲載しています)
 男性は昨年5月24日午前3時50分ごろ、木更津市の東京湾アクアライン上り線をオートバイで走行中、法定速度(80キロ)を159キロ超過したとされている。
 男性が使用したのは、英国の老舗メーカー、トライアンフ製のスポーツバイク「デイトナ675SE(スペシャル・エディション)」(排気量670cc)。トライアンフらしい水冷DOHC3気筒エンジンを搭載したモデルで、その独特なメカニズムなどから人気が高い。
 平成21年6月に日本で80台限定で販売された際のメーカー希望小売価格は、133万3500円(税込み)だった。中古市場でも100万円を超える値が付くこともあり、あるバイク販売店店長は「新型を待ち望む声も多い」と話した。
 千葉県警によると、男性は動画投稿サイト「ユーチューブ」にツーリングなどの動画を複数投稿していたが、なかなか再生数が稼げず、最高速テストを行うことを決意した。男性は調べに対し、「最高速テストをすれば、多くの再生数や“いいね”を稼ぐことができると思った」と、動機を語っているという。
 「最高速テスト編」と名付けられた動画は、バイクのスピードメーター部分が映るようカメラを固定して撮影された。動画の冒頭、「行きまーす」などと宣言して走り始め、スピードメーターは最高で送検容疑を超える時速279キロを指していた。
 「編」と付けた理由については、「この動画が成功すればシリーズ化も考えていた」という趣旨の供述があったと、捜査関係者はあきれた表情をみせた。
 県警は、昨年10月に情報提供を受けて捜査を開始した。本来ならば、スピードメーターしか映っていないはずの動画だったが、県警捜査員は端々に映る景色を見逃さなかった。
 動画内にわずかに映った海ほたるパーキングエリアやトンネルから、撮影場所がアクアラインであることを特定。動画内の走行距離と再生時間をもとに、走行速度を割り出した。
 男性が動画の“舞台”にアクアラインを選んだのには、理由がある。アクアラインはトンネルが長く風の影響を受けにくいほか、道路の継ぎ目も少なく、高速域での走行が安定しやすいという。場所も吟味した上で、撮影に挑んだと思われる。
 国内では3月1日にも、中央自動車道の法定速度100キロの区間を、米国製のスポーツカー「ダッジ・チャレンジャー」で時速235キロで走行したとして、40代の男が警視庁に逮捕されたばかり。
 ともに事故は発生していないが、一歩間違えれば周囲を巻き込みかねない危険行為だった。動画の分析など執念の捜査でスピード違反を摘発した捜査関係者は、「どんな動画でも立件は可能だ」などと、相次ぐ“爆走”に警告を発した。
 千葉地検に書類送検された男性は、免許取り消しの行政処分を受けるものとみられる。(千葉総局 長谷裕太)