【野党ウオッチ】細野豪志氏、1年たたずにまた「裸一貫」 民進党再結集から取り残され… - 産経ニュース

【野党ウオッチ】細野豪志氏、1年たたずにまた「裸一貫」 民進党再結集から取り残され…

衆院本会議に臨む希望の党の細野豪志元環境相=2月15日(斎藤良雄撮影)
衆院選の開票速報を見守る希望の党の細野豪志元環境相=平成29年10月22日夜、東京都内のホテル
新党構想について議論する民進党両院議員総会に臨む(左から)大塚耕平代表、増子輝彦幹事長、岡田克也常任顧問=3月30日、東京・永田町の民進党本部(斎藤良雄撮影)
細野豪志氏に希望の党からの「排除」宣告を受けた野田佳彦前首相=平成29年10月11日、新潟市中央区(市川雄二撮影)
 希望の党の細野豪志元環境相(46)が3日、民進党が提唱する同党出身者による新党結成に参加しない意向を正式に表明した。昨年8月に「裸一貫、一人で立ち上がる決意をした」と宣言して民進党に三くだり半を突きつけてから1年もたたないうちに、またもや「裸一貫」宣言である。
 細野氏は3日、国会内で記者団の取材に応じ、民進党の大塚耕平代表(58)が掲げた「新しい民主党」構想を公然と批判した。
 「希望の党は、安全保障をしっかりと現実的にやっていく、憲法改正については9条も含めてしっかりと議論していくということが旗印だ。その旗を降ろした形での『新しい民主党』が仮にできるのであれば、それに加わるという選択肢はあり得ない」
 希望の党執行部は1月、衆院選で訴えた安全保障法制の実質的容認と憲法9条改正への積極姿勢を軌道修正する党見解を発表した。民進党に近い政策を示し、合流への環境を整えることが狙いだった。
 「野党の大きなかたまりを作る」という玉木雄一郎代表(48)の主張は理解するにしても、選挙で掲げた公約を平然とひっくり返す姿勢はいただけない。「理念や政策をねじ曲げて動くことになってしまえば、政治家として死ぬ」という細野氏の言い分はもっともだ。
 ただ、細野氏は同時に、新党に「参加できない」事情も抱えていた。衆院選前、民進党出身者に対して口にした「排除」発言が災いし、同党内には細野氏への忌避感が根強い。このため、合流を円滑に進めたい希望の党執行部にとっても細野氏は「足かせ」と映っていた。
 こうした状況を念頭に置いてか、細野氏は記者団に「好き嫌いということで言っているのではない」と強調した。しかし、「排除」発言がなぜここまで尾を引いているかを細野氏は考えるべきではないか。
 一般的に選挙での公認の可否を決めるにあたって、政党が「排除」や「選別」をすること自体は問題ではない。党の政策や理念に照らして公認すべきか否かを真剣に吟味することは、むしろ有権者に対する誠意である。
 もっとも、一緒に仕事をしてきた仲間に「排除します」と言ってのける姿勢に多くの有権者が不信感を抱いたということを忘れてはならない。細野氏は衆院選前、民進党の野田佳彦前首相(60)らを念頭に次のように発言していた。
 「三権の長を経験した人は遠慮してもらいたい」
 細野氏は野田政権時代に原発事故担当相を務めた。党が野田氏を公認すべきかどうかとは全く別の次元の話として、原発事故という未曾有の国難にともに立ち向かった同志であり、上司である人物への不遜な態度はいただけない。
 有権者への公約を重んじ新党構想と距離を置く細野氏の姿勢には敬意を表するが、「排除」発言について真摯(しんし)に省みなければ、「裸一貫」の先に展望は開けまい。 (政治部 松本学)