【野党ウオッチ】籠池被告接見、財務省への“突撃訪問” 文書改竄問題でも変わらないパフォーマンス体質 - 産経ニュース

【野党ウオッチ】籠池被告接見、財務省への“突撃訪問” 文書改竄問題でも変わらないパフォーマンス体質

森友学園の前理事長、籠池泰典被告と接見した後、記者団の取材に応じる社民党の福島瑞穂副党首ら=26日、大阪市都島区(安元雄太撮影)
衆院予算委員会の証人喚問に出席した佐川宣寿前国税庁長官=27日、衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)
森友学園前理事長の籠池泰典被告との接見を終え、取材に応じる希望の党の今井雅人衆院議員ら=23日、大阪市都島区(志儀駒貴撮影)
衆院予算委員会の証人喚問で希望の党の今井雅人氏(左)の質問を受け、挙手する佐川宣寿前国税庁長官=27日、衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)
森友学園の前理事長、籠池泰典被告との接見に向かう(左から)自由党の森裕子参院会長、民進党の矢田稚子参院国対副委員長、社民党の福島瑞穂副党首=26日、大阪市都島区の大阪拘置所
大阪拘置所前で森友学園前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告の収監に抗議する人たち=23日、大阪市都島区
財務省近畿財務局に向かう希望の党の今井雅人衆院議員(右端)ら野党4党の議員=5日、大阪市
野党幹事長・書記局長会談に臨む立憲民主党の辻元清美国対委員長=2月27日、国会内(斎藤良雄撮影)
 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改竄(かいざん)問題を受け野党が安倍晋三政権への攻勢を強めている。国会では27日、財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問を実現し、さらに安倍昭恵首相夫人(55)らの証人喚問も要求している。一方、国会の外では勾留中の学園前理事長、籠池泰典被告(65)=詐欺罪などで起訴=との接見、財務省や同省近畿財務局への“突撃訪問”などで世間の耳目を集めようとしている。こうした「奇策」が問題の真相解明につがなるかは疑問で、同じ野党からも「相変わらずパフォーマンスが好きだ」との批判の声が上がっている。
 立憲民主党の川内博史(56)、希望の党の今井雅人(56)、共産党の宮本岳志(58)各衆院議員は23日午後、籠池被告に接見するため大阪市都島区の大阪拘置所を訪れた。拘置所前には100人以上の報道陣が詰めかけたほか、道路を挟んだ向かいの公園では8カ月近い籠池被告の勾留に抗議するデモも行われ、騒然とした。
 接見は、佐川氏の証人喚問を27日に控え、昭恵氏のほか政治家の関与や土地取引に関する事実関係を改めて籠池被告に聞く目的があった。午後4時すぎから始まった接見は当初15分程度の予定だったが、大幅に上回る約45分にわたって行われた。
 接見を終え、大勢の報道陣に囲まれた今井氏らは佐川氏の証人喚問に向けて「収穫はあった」と満足そうに語った。また、財務省が学園の土地取引に関する改竄前の文書に記していた昭恵氏の「いい土地ですから前に進めてください」との発言について、籠池被告が「確かにそういうふうにおっしゃっていた。間違いない」と述べていたと強調し、昭恵氏の証人喚問を改めて訴えた。
 ただ、籠池被告との接見が佐川氏の証人喚問に向け効果的だったのかは疑問を持たざるを得ない。証人喚問は決裁文書の改竄問題が焦点だったが、理財局長当時の佐川氏は学園との土地取引には直接関わっていない。籠池被告は接見で改竄について「全く知らない。びっくりした」と述べており、具体的な中身はほとんど知らなかったと思われる。
 籠池被告の証言の信憑(しんぴょう)性については、接見前日の記者会見で川内氏が「今のところ一番真実を語っているのは籠池さんではないかと思われる」と述べたが、これに対し与野党からは批判の声が上がっている。
 文書改竄問題を調査する自民党プロジェクトチーム座長の柴山昌彦筆頭副幹事長(52)は記者団に「詐欺事件で勾留されている被告との接見でどのような真相が明らかになるのか、極めて疑問だ。真相究明にはつながらないのではないか」と断じた。
 山本一太政調会長代理(60)も25日のNHK番組で「(籠池被告の)発言の信憑性には大きな疑いがあると思っていて、これをもって昭恵夫人の証人喚問が必要だという理屈は乱暴だ」と反論した。立憲民主党など野党6党と距離を置く日本維新の会の馬場伸幸幹事長(53)は記者会見で「相変わらずパフォーマンスが好きだ。取り調べ中の被告から公正公平な話が聞けるわけがない」と苦言を呈した。
 野党側の「パフォーマンス」ともとれる行動はこれだけにとどまらない。20日には立憲民主党の逢坂誠二(58)、希望の党の津村啓介(46)両衆院議員らが財務省理財局の公文書管理状況や電子決裁の仕組みを視察するため同省を訪れた。同省の職員は応対せず、理財局長室に施錠するなどして入室を拒んだため、空振りに終わった。
 逢坂氏は記者団に、財務省側には前もって視察を申し入れていたと説明。「鍵を掛けてシャットアウトするというのは言語道断だ。こんなことで国民の信頼を得られるとは思えない」と憤りをあわらにした。
 文書改竄問題発覚後、野党議員による財務省への“突撃訪問”はもはや定番化しつつあるが、こうした手法が真相解明につながるかは甚だ疑問だ。
 野党は昭恵氏の証人喚問実現を訴えているが、矛先はフェイスブック(FB)にも向けられている。昭恵氏のFBに野党批判を含む投稿が寄せられ、昭恵氏が「いいね!」を押したことについて、立憲民主党の辻元清美国対委員長(57)は14日、「感覚が理解できない」と猛反発。「国会でなぜ『いいね!』をしたか聞きたい。呼ばなければならない」と記者団に語り、証人喚問の必要性を重ねて強調した。
 野党批判の投稿に「いいね!」を押したことを理由に証人喚問を求めることは、いささか行き過ぎではないだろうか。
 辻元氏は16日、記者団に「行政に関わる資料や文書書き換えなどがないか全省庁に対して調査しろ、ということを求めていきたい」とも述べた。明治18(1885)年の内閣制度発足から数えて130年以上、戦後だけでも73年たつが、いったいいつからいつまでの行政文書を総点検しろというのだろうか。
 野党として問題を追及し、事実を解明していくことは必要なことだろうが、行き過ぎた言動は自らの足元をすくうことになりかねない。 (政治部 小沢慶太)